スタッフ日記 – Staff Diary
[文 / 益田(制作)]
2026
7/27
PC-6601BASICと睨めっこ中。 まったく同期制御を想定されていない二つの音源チップを、一つのコードで同期演奏させようとしているのだが、そもそも無理があるのは承知の上である。 一つの成果が生まれるまで、どれだけの時間がかかるやら。完成させられる自信もない。
とにかく今は、法則性をつかむために試行錯誤している。法則性がつかめれば(不可能であることも含め)、見えてくるものがあるはずだ。 そのために今は、グチャグチャのコードと格闘を続けている。
音声合成LSIを制御するTALK文とPSGを制御するPLAY文、同居に多少の無理がある。 PLAYの方は改行を挟んでも断絶なくシームレスに繋がるのだが、TALKは改行を挟むと時間的な間隔が空いてしまう。 休符なくセンテンスを構成しようと思うなら、一行にまとめなければならない。「(長大な)一行にまとめれば良い」と思われるかもだが、一行のテキスト量にも(割とシビアな)制限がある。
どうやらノイズと音声は排他関係にあるらしい。つまりPSGのノイズを音声のバッキングに使えない。 また、エンベロープの設定なども(音声との併用が)難しく、ほとんど素のままの矩形波を使うことになる。PLAY文唯一の音色変更コマンドと言える「S」も、音声パートのタイミングに著しく影響するので今のところ使えない(使い方を得ていない)。
ネットで「音声合成に伴奏を付けた例(MP3)」を探し当てたのだが、どうも(PSGでなく)FMチップの方を使っているらしい。詳細は不明なのだが、「音色を定義すると音声が鳴らなくなる」・「2chしか使っていない」といった記述が見られる。音色定義だけでなく、音声合成に影響するコマンドが多いのだろう。これは実感としても分かる。 上がっていたMP3は25~40秒程度とごく短いのだが、それぐらいが限界だったのかもしれない。
音楽とは、制約の中で作るものなのだが、チップチューンというのはとりわけそれを痛感させてくれる。更にその中でも、今取り組んでいる作業はその最たるものと言える。 !chで曲を作ることより遥かに難しい。


7/22
前回の続き。 PC-6601の音声合成LSIは「歌わせること」に成功したのにも関わらず、メーカーは伴奏を付けることを考えなかった。せっかく同機に内蔵音源があるのに、それとのアンサンブルを想定した形跡がない。
単にエディターが存在しないだけでなく、TALK(音声制御用ステートメント)にはPLAYで言うところのT(テンポ指定)コマンドが存在しない。 おそらくマシンのクロック由来の固定のスピードが設定してあって、L(音符長指定)コマンドのみ有効となっている。そこで大雑把なテンポを指定できるようにはなっているということ。 因みに、発音させるテキストによっても、立ち上がりや読み上げスピードそのものが変わってくる。 アンサンブルを想定していないのだから、そこに神経質になる必要もなかったのだろう。
PC-6000シリーズにはファンも多いと見えて、エミュレーター環境が充実している。互換ROMや互換フォント類も一通り揃っていて、基本的にノーコストで手を付けられるようになっている。ついでに、有志製のゲーム系のアプリもたくさんある(私はゲームをやらないが)。 私もとりあえず互換BASICを落としてみているのだが、安定して使えるのかは不透明な部分もある。エミュレーター本体や実機システムやBASICのバージョンによる不具合は多発する。現状エミュレーターも諸事情あって最新版を使えない。 ただし、その互換BASICの「エミュレーター環境に最適化している」であろう点には期待している。


7/21
現時点での結論として、μPD7752(音声合成チップ)と内蔵音源(PSGなど)の同時使用を前提としたエディターは、ホームブリューを含め存在しない。 現在、とりあえずPC-6601エミュレーターを使っているのだが、可能性が残されているのはBASIC上で制御する方法くらい。
しかし、音声合成LSIと内蔵音源はあくまで別チップである。同時使用に特化したプログラムがない以上、無理矢理同時制御することになるのだが、PLAY(やSOUND)とTALKは構文が違う。特にスピード(テンポ)制御系にまったく共通性がない。同時利用をまったくもって前提としていないのだ。 もし曲を作るなら、PLAYでバッキングを一旦作って、音声をそれに追従させるような形を取るしかない。それにしたって完璧な同期は難しい。
BASICを弄ってみて分かったことがある。まずPLAYでPSGのノイズ音色を呼び出すことはできない(こんなことすら知らなかった)。ノイズ使用にはSOUND文を使うことになるのだが、SOUND系の命令が音声合成の発音に影響するらしい。ノイズを入れただけで発音タイミングが変わってしまうと言うか、PSGと音声合成の同時発音ができなくなる。 要するにノイズと音声の同時利用は仕様上不可能であるようだ。AIに「PLAYでノイズを引っぱり出す方法はないか」としつこく聞いてみたが、無いものは無い(あってもノイズというだけで干渉するのかも)。これも制約と割り切るしかないのか。
それにしても制約がキツい。上記以外にも、例えばメモリーの制約で長尺の曲などまず作れない。PSGを3パート使うなら、どうコードを工夫しても3分の尺は難しいだろう。単なる「行あたりの文字数」だとか、そういう制限も実に重い。私は何をやっているんだ。


7/20
μPD7752を使ってみたくて、とりあえずPC-6000シリーズのエミュレーターを入れてみた。PC6001VXとPC6001VW。どちらもPC6001Vというエミュレーターの派生品らしいが、改良版ということらしい。
どちらが良いのか分からなくて、AIに聞いてみたのだが、また例によって判然としない。仕方なく両方入れることに。VXの方が後発で安定しているとか聞いた。確かに互換OSがプリセットされているなど、エントリー用としては優れている点もある。だが、(肝心な)音声合成周りの不具合が多く、またテキストのペーストができない仕様で、長大なBASICの構文などを使う用途には甚だ向かない。
VWの方もこれはこれで、ステートの管理(ロード)に致命的な不具合を抱えていて、現行バージョンはとりあえず使えない。レガシー版を落としてみたら一応ステートのロードができるようなので、一先ずそれを置いているが、旧バージョンなので別の不具合が出てきそうな気もする。
私の用途(音声合成と内蔵音源の同時使用)を満たすエディターソフトは、やはり存在しないようだ。 PC-6601の本体付属フロッピーディスク(5枚組)と言うものがあったらしく、それに「ソング」というエディターソフトが収録されていたようだが、音声合成のみの制御用らしく、内蔵音源による伴奏などはおそらく付けられない。
散々探したら、不完全ながら音声合成と内蔵音源の同時使用の例を発見した。付帯情報が少なすぎて不明な部分が多いが、どうもBASICで書いているらしい。また、内蔵音源のエディットには、かなりの制限があるようだ。でも少し希望が見えてきた。
7/19
μPD7752について。NECのPC-6000シリーズ(6001mkⅡ以降)に搭載された「音声合成チップ」。6601以降は、制御系の進化によって音声に音程をつけられるようになり、PCに「歌わせること」が可能となった。
少し前にヒットしたVOCALOIDのシリーズなんかと製品思想的には似通っているのだが、あれの技術的な核心はサンプルプレイバックである。要するに進化したプリセットサンプラーに過ぎない。だから人声の再現性が低い、なんてことはないのだが、μPD7752はそれとは別系統の技術に支えられた製品なのだ。 とにかく人類は、随分前からコンピューターに歌わせることを悲願としてきた。
μPD7752とは別に、PC-6000シリーズには内蔵音源(AY-3-8910・後期モデルには+YM2203)があった。別のチップだから「同時使用」が可能だったのではないかと思って調べを入れてみた。つまり、PSGをバックにμPD7752で歌わせる(ボーカルパートを作る)ことができたのではないかと。更にはエミュレーターなどを使ってそれが再現できないかと。
今のところの結論として、それは容易でなかった。そういうものを作るエディターもどうやら存在しないし、BASICの構文もあるのだろうか。そもそもそういう楽曲が、ネット上に公開されている形跡が皆無である点が気になる。可能だったのであれば、公開されていそうなものだが。
当時の(PC-6601)の製品デモムービーがある。松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」を歌わせているのだが、伴奏がない。 この「歌う」機能は、製品の(ややもすれば最大の)セールスポイントだったのだから、伴奏が可能であったならば、伴奏付きのものにしたはずだと思うのだが、そうでない。やはり技術的に難しかったのだろうか。
このデモソングを聴く限り、どうやってエデットしているのか不明だが、リズム面がところどころ怪しい。これが限界だったのだろうか。精度の高いエディターがない限り、このμPD7752を(単体でも)使うのは難しそうだ。内蔵音源との同期が可能なら、面白いものが作れそうなのに。 まあ私はこの周辺にそんなに詳しくないので、詳しい人がいたら教えて欲しい。
7/15
先週録ったテイクの編集中。フェアライト(エミュレーター)シリーズの最終作。 別に最後まで取っておいたわけではないのだが、今までで最強の難敵だ。 (オケの)ピッチの不安定さはどの曲も同じなんだけど、今回のは中々酷い。リズムのヨレも気になる。
ボーカルテイクのピッチについては-33Centでチューニングしているんだけど、事前にバッキングのいくつかのパートのピッチを確認してみたところ、パートによってズレ幅が違う。誤検出も多いし、倍音過多でそもそもピッチカーブが検出不能ってパートもあった。-33Centってのは次善の策です。パートによってチューニングが違うのだから、厳密な解が存在しない。
今回ボーカルテイクの精度もイマイチ。質感とかは悪くないんだけど、リズムとかそういう数値で計れる不具合が目立つ。オケが酷いので仕方ないと言えば仕方ない。歌い手さんにはちょっと悪いことをした。 編集はほぼ全般に渡っての修正作業になる。 このフェアライトシリーズ、今後のリピートは無いな。
7/14
ピッチ補正、いわゆるオートチューンについて。 因みに「オートチューン」というのはアンタレス社の商品名(おそらく商標)であるのだが、スタンダードでもあり、事実上「ピッチ補正ツール」という意味合いで使われているワード。 味の素とか、ある時代のウォークマンみたいな。
キュレーターの中に、このオートチューンを毛嫌いする者が一定数いる。ハッキリと「No Auto-tune!」みたいな意思表示をしているケースさえある。あの音のニュアンスというか、編集痕が嫌いなのだろうか。私にはあんまり分からない感覚だ。
ウチの録音物には、基本的にピッチ補正を施している。ある程度作曲者の想定した譜面情報に忠実であるべきだと思うし、その方が商品としての品質が上がると思うからだ。 ロボットボイスとかそういう、いわばピッチ補正ツールをエフェクトとして使うような極端な処理はしていない(場合による)が。 作業効率が上がるからってのもある。あのツールの登場以前、一定のクオリティーの録音成果を得ようと思えば、スタジオで重ねねばならないテイク数は今と比べ物にならなかったろう。
ウチのアーティスト、例えば神田優花とかって、そんなにピッチの安定しないボーカルではないと思うが、それでも最低限のピッチ処理は行う。昔から別にそれを隠しもしない。 今後もこれは(特別な意図をもって臨むケースなどを除いて)変わらないだろうと思います。

7/13
前回の補足なんだけど、フェアライトシリーズについては、歌録りは全ストック分終わっていて、後はリリースがいつになるかって状態です。Chiptuneのシリーズみたいに、そのタイプの曲を集めてアルバム化しようとかは今のところ思っていない。 用途としては、カップリングとかをメインに考えてます。

openMSXってMSXのエミュレーターの話。 ポータブルである点は良いのだけど、各種設定ファイルやステートファイルがCドライブに自動保存される仕様で、複数の環境で使うなら毎度それらのファイルをコピーする必要があって、要するに完全なポータブルでない。
細工を施して、完全なるポータブルとして使えるようにしてみたのだが、Win7での不具合が多く、ポータブルとしては欠陥品と言わざるを得ない。まずグラフィック周りが噛み合っていないらしく、一部メニューが正常に表示されないし、設定したコマンドも通らない。そもそもコンソールが正しく表示されない。
因みに、openMSXで何をやろうとしているというわけでもない。何かをやろうと思い立った時のために環境を整備している。私にはこういう作業が多いのです。 導入したはいいが、年単位で使っていないプログラムとか、山ほどある。
7/12

先日(7/8)発売の神田優花「Linda」について、私なりのコメント。
1.Linda
フラメンコをベースにしたPOPS。 アコースティックのギター・ベースにパーカッション。あとピアノくらいのシンプルな編成。
ボーカルのメロディーというか、歌い回しみたいなのに気を使った曲。コーラスとの掛け合いとか。
ここ最近、フェアライトのエミュレーター使った曲のストックばかりを消化していて、本編というか、普通の曲をあまり録ってなかったんだけど、その少ない成果の一つ。だからシングル化しました。
2.Polar Star
そのフェアライトシリーズの一つ。音楽的には普通のPOPSなんだけど、音が普通じゃない。特にチューニングがノーマルな平均律じゃない。
アレンジについては、ギターを中心としたPOPSで、特筆すべきところもない。曲としては気に入っているので、アレンジ(と言うか音色)を作り直して再レコーディングしようかと言う話も出ていた。実際やるか分かりませんけど。
途中ボーカルにビットクラッシャーかけている部分があるんだけど、歌詞が聞き取りにくいかも。本当はVocoder系のギミックを考えてもいたんだけど、フェアライトシリーズはテンポがBPMベースでなくて、MIDIデータを援用するエフェクトみたいなのが苦手なのです。こういうところにも弊害が出たりする。
7/11
MSXのエミュレーターはいくつもあるのだが、どれも帯に短し襷に長しというか、しっくり来るものがない。 評価の高い某国産エミュレーターは開発が終わっているし、現役でアップデートしているものは私の環境と相性が悪く、メニューすら正常に表示してくれない。 とにかくMSXのエミュレーターは、ステートの管理におけるバグが実に多い。実機の拡張性に起因する部分が大きかろうか。MSXは(当時のコンシューマーゲーム機などに比べ)複雑過ぎる。
MSXというのは特定メーカーの発売したコンピューターのことではなく、単なる規格である。だから無数のタイプがある。あるマシンを使いたくても、エミュレーター落としたらそれで万事解決ってわけには大抵行かず、細かいチューニングは大体必須となる。
先日、ある構成をセットアップしようとしていたら、AIがシステムファイルの詰め合わせみたいなのを勧めてきて、ご丁寧にリンクまで提示してくれたのだが、今考えるとあれってリーガルなのだろうか。こういうことって初めてじゃないんだけど、もう一々調べていられない。
上でゲームに興味ないって言ったが、何に興味があるかというと、それは音源(チップ)である。 MSXならAY-3-8910(≒YM2149)や拡張音源であるYM2413やYMF278Bなど。 それらを制御することに関心がある。 ゲームはサウンドのチェックのために動画を見たりするが、プレイには興味がない。

7/8
本日、神田優花「Linda」発売です。以下、本人から。

Linda/Polar Star
Linda
人のことを噂するときって、必要以上に小さな声になったり、わざと大きな声にしてみたりってあると思うんです。この曲ではそういう心の機微なんかをこだわってみました。”知らんけど”みたいなテンションから、だんだんと知らないくせに熱を帯びるイメージで、軽薄な熱というか、無責任な熱みたいなものを表現したつもりです。
楽しかったです。
Polar Starは、逆にまっすぐな情熱を表現した歌です。誰かに左右されてはいけない、自分だけのflame。心にその熱を感じられるなら、何も恐れるものはない、、、メロディアスな、繰り返す旋律にそれらを込めてみました。
このフレーズでこのメロディラインでないと表現できない何かが音楽にはあって、何とかそれを表現したいともがくのがアーティストってものなのかもしれない。
一番最後の歌詞はなかなかすんなりと歌えなくて、なぜかはわからないけれど、レコーディング間近になってようやく、すとんと胸に落ちてくれたように思います。
今年はこれが最初のリリースになります。
まだまだ取り組んでいる、ちょっとクセの強いフェアライトシリーズですが、どうかお付き合いくださいませ。
神田優花

7/7
FamiTrackerってトラッカーがある。ある時期NSF作成ツールのスタンダードだったと思われる。 現在は開発が終了しているのだが、ソースコードを継承したDn-FamiTrackerという有志製の後継ソフトがあって、現役で更新を続けている。最近知った。
両者に一応ファイルの互換性はあるらしいが、100%のコンパチブルではないようだ。.ftm(FamiTrackerのネイティブファイル)が読めるのだが、Dn-FamiTrackerで保存したFTMやDn-FamiTrackerのネイティブファイルはFamiTracker側では読めないらしい(試してないけど)。
両者の違いについて。 後継ソフトの方は現役なのだから、当然細かいバグフィックスなどは重ねられているのだが、最大のアップデートポイントとして「拡張音源の同時使用が可能になった」という点がある。しかしこれ、そんなに歓迎すべき進化なのか。
拡張音源を同時使用したNSFも作れるらしいが、そんなサウンドはリアルタイム(ファミコン現役時代)には当然存在しなかった。今でもエミュレーター等はさておき、実機ではそういうNSFを再生できない。カートリッジが唯一のスロットを占有するという構造上、これは不可避だろう。
私は現在、NSF作りにおいて、Dn-FamiTrackerを含むトラッカー系を使うつもりはない。FamiStudioってのがあって、そっちの方が便利だから。便利というか、私にとって快適な使用感ということ。 FamiStudioも拡張音源複数同時使用ができるのだが、私はその機能を使ったことがない。食指が動かない。私はChiptuneにおいて、「制約」こそを楽しんでいる。
しかしChiptune界隈の中でも、NSF関係って圧倒的にツールが充実している。(精度はさておき)NSFを各種ソフトでデコードできる点なんかも、他のフォーマットとは一線を画している。 私が今、サウンドフォーマットすら存在せず、VGMも非対応とか、そういう条件での音作りに没頭しているもので、NSF系の環境の充実具合に感嘆してしまう。


7/3
Enterprise128のエミュレーターは代表的なものが二つある。二つもある。そもそもがマイナー機種なだけに、二種あるだけで奇跡的とも言える。 まあその二種というのは、厳密には同一ソフトのバージョン違いのようなものなのだが、進化の途中で(ポータブルからインストール版に変わったりと)大幅な改変があって、ソフトのタイトルも変わったらしい。私は両方入れている。 後発版の方が明らかに優れているのだが、ポータブル版はそれはそれで便利なので手放していない。
SymbOSという有志製のOSがある。クロスプラットフォームなのだが、Enterprise128用も存在する。エミュレーターでも動かせるのだが、上記二種のうち、後発版でしか事実上使えない。 そのSymbOSにはSymAmp等、専用のソフトがあるのだが、導入しようとしたSymAmp(.exe)が起動しない。ダブルクリックを無視される。因みにOSもソフトも最新版である。
試行錯誤するうち、(SymAmpの)旧バージョンにしたら動いた(旧バージョンは公式に置いてないので、探すのも一苦労だった)。 しかし、作者はテストプレイとかしているのだろうか。フリーソフトに入念なデバッグなんてやっていられないだろうことは分かるが、作者の環境では動くのか。稼動環境がかなり限定的なので、それが怪しく思える。ユーザーが少なすぎて問題が表面化していないのかもしれない。
Music Boxという(これも有志製)Enterprise128用トラッカーアプリがある。一応HPに簡単なマニュアルのようなページがあるが、読んでもサッパリ分からない。 その後AIを駆使し、後はほとんど当てずっぽうで粗方の操作法を覚えたが、常用しようとは到底思えない操作性だ。

7/2
Enterprise128ってレトロコンピューターがある。元々イギリス製らしいが、本国では受けなかった。その代わり、何故かハンガリーでヒットしたらしく、今でもファンサイトの総本山はhuドメインだ。 そのEnterprise128、Daveというちょっと特殊な音源チップを乗せている。ノート3音・ノイズ1音の4ch仕様。チップ自体に5種類のプリセット音色を持っていて、同時代のAY-3-8910のような矩形波オンリーの音源とは一線を画していた。
Daveを使った曲を作るかもしれない(作らないかもしれない)。 しかし、マイナー機種だからか、NSFのようなサウンドフォーマットがなく、VGMも非対応。FurnaceにはDaveモードがあるが、エクスポートできるファイル形式がなく、WAVでレンダリングするくらいしかない。
Vortex Tracker ⅡというトラッカーでPT3形式のファイルを出力し、それを実機やエミュレーターで再生する方法はあるが、4chをフルに使えないし、プリセット音色すら使えない。Voltex Trackerは基本的にAY系のPSG音源用のトラッカーで、エクスポート可能なPT3形式のファイルを、無理矢理Enterpriseでも再生できるようなプレイヤーソフトを誰かが作ったらしい。 (おそらく有志製の)Music Boxという、エミュレーター等で使えるトラッカーアプリもあるのだが、それも何故か3ch仕様。因みに私はそのMusic Boxが、マニュアル読んでもサッパリ使えない。
Voltex Trackerのターボ(音源二基使用)モードとSymAmpプレイヤーというソフトの合わせ技にて4ch使用を再現する方法があるにはあるらしい。 しかしSymbOSというSymAmp用のOSごと導入しないといけない。 上記ターボモードとは、PSG×2の計6chを同時に使用するモード。SymAmpでの使用は、そのうちの4chを使ってDaveを制御するという、裏技に近い。 要するに、Daveの機能を十全に使う方法がそれくらいしか存在しない。 現実的な落としどころとしては、Furnaceで作ってWavレンダリング、ってことになるのだろうか。面白みには欠けるけど。


7/1
本日、佳乃「Phoenix」発売です。以下、本人から。

自分の環境が変わっていく中でも、「自分はこれが好きだ」と言えるものがあり、「こうなりたい」「こうしてみたい」と思えることがある。そんな毎日は、なんて幸せなんだろう!と感じたことを歌いました。夢を持って生きていられる喜びが伝われば嬉しいです。
佳乃

6/27
昨日の続き。TIAについての追記。
TIAはその仕様として、正確な音程を発音できない。厳密にはある程度正しい音程も実現できるのだが、コストが異常に高かった。 基本的に分周器(周波数ディバイダー)の作りが大雑把過ぎて、正確な平均律が出せない。クロック信号を5bit(32段階)で分周するのだけど、これはピッチの形成には致命的だった。
今のトラッカーには高性能なドライバーが付属しており、ピッチ・ディザリングによってかなり平均律に近い音程を実現できるのだが、リアルタイムでそれはほぼ不可能だった。 今私が考えているのは、その現代的に実現された正確なピッチモードを使うか、あえて音程の狂った当時の音を再現するか。 後者を採用するにしても、とりあえず歌を乗せる以上、レコーディングには前者を使わざるを得ない。 後者を採用するなら、最終的なミックスダウン時にオケを差し替えることになる。
6/26
TIAのエミュレーターを使った曲を少し前に書いた。TIAはAtari 2600というレトロコンピューターに搭載されていたLSIチップ。複合チップであるが、サウンドチップとしても使われた。 2チャンネル(最大同時発音数2)しかない。
曲の基本部分はトラッカーで作るのだけど、オーディオ化に良い方法がない。 トラッカーから.asm(アセンブリ)を出力、それをコンパイルして作った.bin(ROM)をエミュレーターで再生したりしてたんだけど、あくまで音のチェック目的で、そこからのオーディオ化は(効率面を考慮して)考えていなかった。 どうしていたかと言うと、トラッカーから直接WAVレンダリング。一番楽だったもので。
しかし、エミュレーターを介した音の方が、圧倒的に実機に近いという話を聞いて、この度オケを差し替えることにした。既に上記の(ROM作成)プロセスは確立していたので、特段の試行錯誤はなかった。 ただし、手間は相応にかかった。なんせエミュレーターにレンダリング機能がないので、一々録音作業を挟まなければならない。5分の曲ならそれだけで5分かかるし、毎度スタート地点も一致しない。DAWや波形編集ツールでの調整は必須となる。
そうこうして上がった音を聞き比べると、確かに違う。どちらが良いか、というのはとりあえず今の私には判断付かないのだけど、違うことだけは分かる。差し替えたものの方がローファイな感があるが、これが実機臭なのだろうか。実機なんて見たこともないから分からないけど。
TIAのサウンドは、NSFやHESといった、いわゆるサウンドフォーマットが存在しない。オマケにVGMも非対応。当然プレイヤーなどもない(ロードできるファイル形式が存在しないのだから)、 だから事実上、トラッカーからの直接レンダリングかエミュレーターからのキャプチャー(録音)の二択になってしまう。 今度またTIAを使った曲を書くかどうかについては検討中。
6/23
Causticをあらためて使い込んでみた。クロスプラットフォームなんだけど、基本的にスマホでの使用にフォーカスされている。 素直な感想として、このCausticをメインに本格的な音楽制作ができるかというと、さすがにそれは無理。 しかし、かなり細かいエディットができるし、フリーソフトとしては秀逸と言わざるを得ない。
基本的にPCで使っているんだけど、シーケンサーとMIDI接続すればMIDI 関係の情報を送信して、アプリ内のインストルメントを制御できる。VSTi使う感じ。 音のプレビューが簡単なので、作業の大半を普段使っているシーケンサーでこなせるのは有難い。
しかし、例えばピッチベンドのエディットに対応していなくて、上記の手法で送ったピッチベンドは受け取って出音にも反映させられるのだけど、そのデータをアプリ本体でエディットできない。どうしてそのような仕様となったのか不明だが、音源としてはピッチベンドに対応しているものの、エディターが用意されていない。
その代わりなのかどうか、Glideってコマンドがある。 ノートに埋め込めばシームレスなピッチ変化で前のノートと繋げるのだけど、上記の方法(シーケンサーとのMIDI接続)でGlideは使えない。 もう開発の終わったアプリなので、このあたりが修正されることもなかろうか。


6/17
70年代~80年代初頭くらいのアニメや特撮の主題歌を聴いている。無論それっぽいものを作るためだ。 ジャンル名が付くほどに市民権を得たものではないが、ある様式を踏んだもの。
以下は伝わりづらいことを承知で言う。 曲作りのために作品を聴き漁るというのは、パクっている、というのとは違う。私は、盗作しようと思えるほどに対象の特定曲に信頼など置いていない。聴くのは様式を掬い取るためである。 ピカソのいうStealとはこういう作業のことだったのだろう。
音楽には書法が文献化されるほどに一ジャンルとして確立したものもあれば、それ未満のものも当然ある。上記のアニソンなんてその分かりやすい例なのだが、様式とさえ呼べないようなテクニックが散見される。
当時の編曲家は基本的に、POPSを専門的に学んでいない。現代の専門学校のような、曲がりなりにもそれが学べるような機関(やテキスト)が存在せず、音楽を専門的に学ぼうと思うなら音大とか、そういうアカデミックな場所しか用意されていなかったから。あとは個人に師事するとか独学とか。だからして、当時のほとんどの音楽、特にアレンジ部分は、現代的尺度で見れば西洋音楽(管弦楽)に寄っていた。それしかなかったから。
しかし子供向けの30分アニメにハイドンの交響曲を持ってくるわけに行かないように、当時もそれなりの工夫がなされた。ある種の「流行」のような書法が生まれ、同様の用途の楽曲は、それらを模倣した。 因みにこの流行の生乾き部分が、時を経て固まり、様式となる。需要があれば論文や書籍となったりもする。
様式を掬い取るための唯一のツールは「言語」である。様式は、単純な音符の配列などとは違うレイヤーに存在している。ここが掴めない言語状態の脳にとっては、模倣即ちCopyになってしまうのだろう。 絶対音感保持者のように、音が生の周波数に聞こえているような脳の状態には、この作業は向いていない。聴音が私に向かないのと同じだ。
6/16
いつからか知らないけど、Causticって音楽制作アプリが完全フリー化されているらしい。スマホアプリのストアに置いていない、いわゆる野良アプリ。 元々そうではなかったのだけど、曲折あってそうなった(野良アプリ化した)みたいだ。 以前は、PC用はフリー、スマホ用は有料という状態だったのだが、この度スマホ版も無料となり、またPC版もポータブル化された(インストール不要となった)。これは助かる。 因みに私は、スマホで音関係の作業をほぼ行わない。作業効率が悪すぎるから。
Causticはちょっとテクノ系に寄っているんだけど、テクノ専用機というほどでもない。使い込めばそれ一つで、かなり色々なことができそうなソフトだ。 私は前から導入だけはしているのだけど、試しに一曲作ったっきりでほぼ触れていなかった。その一曲も本当に機能を試すために作ったので、大したプロットではない。 せっかくなので、これからテクノっぽいの一つでも作ってみようかと考えていて、操作法を思い出そうと軽く弄ってみている。
本格的なDAWではないので、例えばオートメーションを数値レベルで入力したりはできなかったりするのだけど、そういう細かい部分に目を瞑れば、かなり幅広いジャンルに対応できそう。PCM系の音源もロードできるので、普通のPOPSなども作れそうな気がする。VSTに対応してくれていたら良かったのに。


6/14
FamiStudio使って2曲書いてみた。多少の不満もないではないが、総合的に見て完成度の高いソフトだ。もう何曲か書いてみようかと思っている。というか、今後NSFを作る際には基本これを使おうと思う。
しかし、あれの作者は普段DAW・シーケンサーを使わないのだろうか。ピアノロールとか採用しているくらいなのだから、そんなわけないと思うが。時々「何故こういうコマンドが無いのか」と言った疑問にぶつかる。あとやたらショートカットキーが多かったり。作者と私とでは、思考のアルゴリズムが違うのだろうな。
今、いわゆるテクノを作っているのだが、やはり普段とは脳の使い方が違う。時間軸を物凄く短く取る感じになる。 今回書いた2曲はどちらも拡張音源を使っていて、片やN163、もう片やがFDS。やはりNSF作りは面白くて、もう少し掘り下げてみたいと思った。次は拡張音源なしで行こうかな。
6/10
私はトレーサビリティーに価値を置く音屋である。一旦作った曲は、セッションをいつでも完全な形で開けるようにしたい。 だから制作ツール類も、常に「買い換える」ではなく「付け足す」ことになる。事実、学生の頃に使っていた単体シーケンサーなども、いまだに所有している(さすがに使ってはいないけど)。
だからして私は、昨今主流の、ライセンスマネージャーのようなアプリを介してのソフト導入を嫌う。それを避けたら仕事もままならないから仕方なく使うけど、できれば避けたいと思ってしまう。 あれ、いつかパニックのような大変な事態に発展しないだろうか。杞憂であれば良いが。
少し前のことだが、あるソフトが使用不可能となった。 フリーソフトだったのだが、かつて有料だったものが無償化されたもの。インストールには、アクティベーション用のサーバーを介しての認証が必要なのだが、再インストールを試みた際、その認証サーバーが死んでいた。 調べてみたのだが、現状そのソフトを使うことは「不可能」という結論に至った。
デベロッパーの側も、たかがフリーソフトの為に未来永劫認証サーバーを稼動させるわけにも行かないのだろうが、潰すのであれば、認証不要で使えるようにソフトをアップデートするとか、そういうサポートができなかったろうか。それすら手間だったのか。 とにかく今後、この手のソフトの導入には慎重にならざるを得ないと思った。
これは今後も頭痛の種になりそうな話だ。 PCの状態を丸ごと保存するような方法がないことはないのだが、保存に必要なデータサイズや時間は膨大になる。フリーソフト一本のために一々やれる作業ではない。何か良い方法はないだろうか。
6/9
早速テクノ作りに入っている。前回言ったように初めてのことではないので、下調べのような作業はさほどに必要がないのだが、現時点で曲想がほぼ皆無なので、それっぽい曲を聴き漁っている。 私の今求めているものは、いわゆる商業音楽とは若干離れていて、Spotifyで探すには効率が悪い。どちらかと言うとその手の機材のデモソングのようなもの。Youtubeとかにだったら割かし上がっている。
歌物のPOPSなんかとは明らかに異質な様式で、そこが面白いと言えば面白い。 私は今回も最終的には歌物に仕上げるつもりなのだが、あんまし両者の親和性は高くない。 因みに「無様式」なのではない。明らかに書法のようなものが存在している。誰か書物にすれば良いのに。まあ既にあったりするのだろうけど、和声の赤本のような定番的なものがあって欲しい。 またこの手の音楽の作り手と文章化の親和が取りにくいのだろうか。フックスやラモーがいない。
「難解」であるというのとも違うのだけど、普段と違う脳の領域を使う感じ。エクササイズと割り切れば楽しい。

6/8
テクノを作ろうと思っている。70年代とかのテクノポップではなくデトロイトテクノのようなものをイメージしている。 音の構成としてはRolandのGroovebox(MC-○○~)みたいなのを仮想している。それを2A03と拡張音源であるN163を使って作りたい。 私はこのテクノといったジャンルの曲をいくつも作っているのだけど、巡り合わせというか、諸事情あって公表できたものが少ない。
N163は、使用するパート数を選べる仕様で、8パートぐらいは行けることになっている。が、使用パートが増えるにつれ音質が劣化する仕組みになっていて、8パートはあまり実用的でない。 今回4パートにしようと思っているのだけど、実際の使用例としてもそのくらいが多いようだ。サンプリングレートは30kHzくらい。
どちらかと言うとメインというか上物をN163に担当させて、2A03の方はリズムに使いたい。ノイズを使ったスネアやハット類、矩形波にピッチエンベロープかけて作るタムやキックなど。 今回FamiStudioってソフトを(初めて本格的に)使おうと思っているんだけど、ワークフローが全然固まっていない。



5/30
NSF作成用のソフト「FamiStudio」についてのメモ。随分前に導入したと思うが、それを使って作った曲は今の時点で一曲も無い。
ソフト類は、極力ポータブルで使いたい(特にChiptune関連のようなシンプルなものは)と思うクチなのだが、使うマシン類の、OSのバージョンなどが懸け離れてくるとそうも行かなくなってくる。今回のFamiStudioなんかも、現行バージョンは、Windowsならほぼ最新のOSに合わせてチューニングされているので、レガシーOSでは起動すらできなかったりする。あれこれコーデックやら更新プログラムを入れてみたりしたのだが、結局ダメだった。 幸い各種の旧バージョンを公開してくれているので、レガシーOSでも動かせそうなかなり古いバージョンを入れてみたら、一応は起動できた。まあこれってもう別のソフト入れているのと変わらないが。
しかしその旧バージョン、現行バージョンと操作体系がまったく違う。 どう違うのかと言うと、例えばノートのエディットなら、あるノートを入力する際には音符長を求められず、(リリースポイントがおそらく存在しない)果てしなく長大なノートが入力される。音をリリースさせようと思うなら、一々「休符」情報を入力してノートバーをぶった切る必要がある。しかもその休符入力、マウス操作で完結しない。どうしてもっと普通のシーケンサーのようにしなかったのか。 因みに、最新バージョンにおいてはそこは(一般的なピアノロールエディターに近いものに)修正されている。クレームが殺到したろうか。
同一ソフトのバージョン違いに過ぎないのに、これは如何なものか。一つの目的のために複数のソフトのオペレーションに習熟できるほど暇じゃないぞ。旧バージョンの方は、今後ほぼ使わないだろうと思う。
しかし、ここまで操作体系に違和感が生じるというのは、作者の脳のアルゴリズムが私のそれと懸け離れているのだろうと思われる。 単なるノートのエディットだけでなく、インストルメントの扱いであるとか、直感的に操作しようとすると衝突が次々と起こる。私の直感って、一般的なDAW・シーケンスソフトの使い勝手からの類推に過ぎないと思うのだが。
不満を述べたが、総合的には素晴らしいソフトである。 (一般的なシーケンサー様の)ピアノロールを使ってNSFが作れる。MIDIインポートもできるし、(使い道を思いつけないが)NSFもインポートできる。昔チマチマMMLを打ってNSFにコンパイルしていたことが、バカらしくなるほどの使い勝手の良さである。
2A03音源を使った曲を作りたい気分は、今のところまったく無いが、拡張音源系(FDSやN163等)には若干の誘惑を感じている。このソフトが役に立つことがあるだろうか。 因みにAIに聞いたところ、リアルタイムでは、音声に拡張音源のみを使ったソフトというのは皆無だったそうだ。N163なんてナムコのアーケードゲームサウンドの移植が目的だと思っていたから、それのみを使っていたのかと思っていたが、そうではないらしい。
5/28
とあるトランペット音源(サンプリング系)を導入した。かつては有料だったものがフリー化されたという。 こういうのってあらゆる商品に言えることだが、そもそもの安物と、値の張る品が事情あって安売りされているのでは、後者の方が優れる(堅牢である)ケースが多い。
フリーでこのレベルのものは中々見当たらない、という評価は事前に聞いていたのだが、確かに音は良い。 更には、各種のアーティキュレーションに対応しているし、ミュートのバリエーションも豊富である。 その音源、各種のミュート(弱音器)を用意してくれていて、ご丁寧にキースイッチでそれらが切り替えられるようにしてくれているのだが、曲中に弱音器を変更することなんてそんなにあるかしら。
5/27

7/8(水)に神田優花のニューシングル「Linda」(全2曲)が発売されます。詳細についてはまたこのページでも触れると思います。

5/26
分化について。以下は私の意見というより、一つの生物学的真理であると思われる。
犬と猫は元々同じ動物(ミアキス)だった。曲折あって各々が森林・草原という、異なる環境に適応するため、分化した。身体的特徴も無論のこと、脳機能までが乖離した。
分化というのは、要は決別・絶交である。こんにち犬と猫を同時に飼っている家庭などがあるが、人間による家畜化という管理体制が一時的に布かれているだけで、両者は本質的に共感し合えず、最終的な決裂は不可避である。事実、野生下での共生は例が無い。 両者は宿命的に衝突(捕食・被捕食、または排除)する関係にある。分化というのは即ちそういうこと。
ヒトと猿の関係も似たようなもの。というかまったく同じ。 人間が猿にそこはかとない不信感・嫌悪を覚えるのには理由がある。 「近縁種なのに相容れない」のではなく「本質的に相容れないからこそ分化した」のである。両者の衝突は宿命的なもの。 これは隣国人と仲良くなるのが難しいことと似ている。
犬と猫との間には、本質的な共感を阻む要因がある。長くなるので割愛するが、認知において「正反対」を示す部分がいくらか確認できるという。人類と人外との間に横たわる「反共感」を思わせる。 両者の間には「絶対に埋められない深い溝」が存在する。外見や遺伝子は酷似しており、一見すると「共感し合えるのではないか」と錯覚しがちだが、脳の進化の方向性と、それに伴う「社会構造・言語機能」には、決定的な決裂点がある。
例えばチンパンジーは、ヒトと友好・主従の関係を結ぶことが絶望的にできないと言われる。人間が期待してしまうような共感が成立しない。これは脳機能の問題なので、乗り越えようがない。 チンパンジーの社会には「力による序列」しかない。彼らを支配するのは「暴力に対する恐怖」だけだと言われる。 チンパンジーの幼獣はヒトに甘えたりもするが、成獣になるとオスは成人男性の1.5倍~数倍の筋力を持ち、目の前の飼い主を「自分より弱い」とすぐに理解するそうだ。 やがて飼い主は「ライバル」ひいては「格下」と認識され、指示も無視されるようになる。最終的にチンパンジーは、飼い主を暴力で支配しようとする。
生殖的隔離をもって分化は完成すると言われるが、分化には当然ながら段階がある。そのいわば過渡期において、個体には地獄のような凄惨な環境が待ち受けているという。分化の初期段階には「異端」が生まれ、異端は塗炭の苦しみを避けられない。 多様性・多様化というのも、神がこさえたシステムなので、避けようがないのかもしれない。
言うまでもないことだが、現生人類においても、進化は完了したわけではなく、分化はリアルタイムで進行している。 現代社会が抱える、暴力や詐欺といった各種の不安定要素は、実は「分化の苦しみ」である。 刑務所や医療機関といったシステムで隔離を試みているが、隔離されたその人らとそれ以外の人たちは、将来的に絶対に共生不可能となる関係にある。 ある脳機能を持つ人らと、別の脳機能を持つ人らの、分化という宿命である。


5/23
SNESに「音楽ツクールかなでーる」というソフトがある。その名の通り音楽制作に特化した、当時(1996発売)としては稀有なアプリケーション。 ホビー向けも合わせた、いわゆるパソコンであれば音楽制作ソフトは散見されるが、純然たるコンシューマーゲーム機においては珍しい。ゲームのいわばオマケとして「作曲モード」のようなものが付録されることは時折見られたのだけど、そのソフトは音楽制作専用なのである。
プリセットされた44のサンプル音色を使って作曲ができる。各1音の8パート、最大同時発音数8のシーケンサー。カセットに楽曲ファイルを保存できる上、メモリーパックなる独自の記録メディアを採用しており、カートリッジ上部にそれ用のドライブが標準装備されている。 同時代の単独シーケンサーなどにも言えることだが、ファイル管理体制の整備具合に、その音楽制作ツールの本気度が伺える。
定価9980円。多分当時のSNES ソフトとしては高価な部類だろう。しかもそれに加え、メモリーパックが一つ5500円したそうだ。子供のオモチャにしては高直過ぎる。 しかし、ハードこそ違うが、同ソフトには続編まで存在する。それなりに売れたのだろうか。
そのソフトの説明書をスキャンしてpdf化したものを、誰かがネット上で公開していた。検索ですぐ引っ掛かったので読んでみたが、MIDI規格こそ採用されていないものの、一通りの楽曲制作は行えるように作られている。当時作られたであろう無数の楽曲データが、現在のDAW・MIDIシーケンサーに継承されないのであれば、それは残念なことだ。 誰か同ソフト用の楽曲データファイルを、SMFか何かに変換するツールを作っていないのか。考えてみたら、エミュレーター使えばSPC化ぐらいできるかもしれないな。
気になったので調べてみた。「音楽ツクールかなでーる」の楽曲データをSMF化する方法、一応は存在している。追加で必要なツールが山ほどあり、実行は全く現実的ではないが。 現時点では無論のこと、当時でもその数多のツールを揃えることは至難であったろう。 必要になるツールを一応記しておくと、ソニー製「プレイステーション」本体・後継ソフト「音楽ツクールかなでーる2」・「メモリーセレクター(SFCのマルチタップ端子とPSのコントローラー端子を繋ぎ、SFCのメモリーパックのデータをPSに転送できる装置)」・「DexDrive(PC用メモリーカードリーダー)」およびそのDexDrive用メモリーカード・Windows用の同ソフト後継版『音楽ツクール かなでーる95』または『かなでーる2 for Windows』、ついでにそれ用のPC。全部で何十万かかったろうか。
しかし、いくら当時的にハイスペックなツールだとは言え、今の私に、このソフトを使い倒したい衝動はない。 使用感・操作性は最悪に近いという。マウスが採用されておらず、ゲーム用コントローラーでカーソルを操作せねばならない。因みにハードとしてのSNES 自体はマウス利用が可能であり、作曲モードが付属する「マリオペイント」などはマウス操作前提である。何故マウスにせなんだ。惜しまれることだ。
5/20
HESがここまで強敵だとは思わなかった。至るところでバグに遭遇する。古いフォーマットなので仕方ないのか。 まあHESというより使ってるトラッカーの問題が大きいのだろうけど。
原型となるトラッカーファイルは、一応同じファイルであるはずなのだが、開くトラッカーによって音が違う。音色も違うしバランスも違う。 HES出力はバグだらけ。プレイヤーでの再生にも不具合連発。プレイヤーによっては再生すらできない。 おまけにBPMも不正確。どうしたら良いんだ。
曲の冒頭に相当の無音部分を入れなければ、出力したHESが曲の途中から演奏を開始する。こんなのHESの仕様であるはずがないから、おそらくはトラッカー側(ドライバー)のバグなのだろうけど。 ガイドメロディー用にもHESを作ってみたのだが(同期の必要があるから)、またバグだらけ。もう究明する気力もなくて、別ルートでオーディオ化したのだが、トラッカーからのWAVレンダリングもVGMのレンダリングもHESと同期しない。 結局DAWのタイムストレッチで無理矢理同期させた。
それはそうと、波形メモリー音源の魅力に気付きつつある。まあ相変わらず音の区別とかイマイチついてないし、マトモな音作りもできないわけだけど。 波形メモリー音源にも色々あるけど、今はナムコのWSG(アーケードゲーム用音源)が気に入っている。普通の波形メモリー音源よりやれることの幅が広くて、Super Sawっぽいものとか作れる。


5/19
原油の払底に直面した政府の対応を見ていると、実に不正直な人らであるとあらためて思わされる。 色々理由をつけてはいるが、要するにパニックになれば「失政」を指摘されるからだろう。保身のことしか考えていない。 コロナ騒動についても、結局突き詰めると保身しか考えられない人らが起こしたと総括せざるを得ない。
こういう為政者であるからして、ある状況においてある事態に直面したら、無謀な戦争に突入したり容易にするだろう。 正直に手の内を明かせない不正直さは、保身感覚によって生まれている。政治家って何がしたいのだろう。
為替介入にしたって「投機的動きには断固たる対応を採る」とか、枕詞のようにいうわけだが、本当にそうだろうか。概ねファンダメンタルズを反映しているのではないのかしら。だって円が強くなる理由が見出せないもの。 介入そのものはやりたければやれば良いが、その根拠について、事情を正直に開陳していない。借金しすぎて金利を動かせないのが、最大の理由だろうに。


5/15
前回のエントリーで、(HES作成において)トラッカーは使いやすいというようなことを言ってたんだけど、実際やってみるとそんなに甘くない。 特にLFO。これはトラッカー云々ではなく、PCEのLFOの仕組みがちょっと複雑すぎる。トラッカーはそれを忠実に継承しすぎな嫌いがある。
LFOの効果が三段階から選択できるのだけど、三段階というのが大雑把すぎる。うち一つは(極端すぎて)かなり使いどころを選ぶ。 1・2chをそれぞれキャリアとモジュレーターとして使うのだけど、FM変調のようで、効果のコントロールが難しい。私のような音作りの苦手な音屋には、楽音(音程)を維持しながら効果を発現させるのが実に難しい。
一旦HESを介するのを必須の命令としているのだけど、普段愛用のトラッカー(Furnace)にHES出力の機能がなく、別のトラッカー(Deflemask)を経由することになった。 FurnaceからDMF(Deflemaskのネイティブファイル)を出力し、DeflemaskでそれをHES化(単なるコンバーターとして利用)するつもりだったのだが、両者は完全互換とは程遠く、Deflemask上での調整はかなり大掛かりなものとなった。
特にサンプル(PCM)を使った部分については、ほとんど一から作り直すような状態だった。要はインストルメントエディターの(参照)構造が違いすぎて、継承できない情報が多すぎる。 マクロを組めないパラメーターなどは、書法が変わるというより、変換不可能と言った方が良い。
HESのエクスポートについても難儀した。単純なバグらしいのだが、LFOの効果において、HESがおかしな挙動(出音)を示す。トラッカー上でも出力したVGMでもそのバグは確認できなかったので、本当にHES化の過程におけるドライバーのバグなのだろう。 結局トラッカー上の記述を工夫することで回避したのけど、一時(オーディオ化を)VGM経由にしようかと本気で考えた。 でも今回はHESに拘りたい。
HESというのがとにかく古いフォーマットなので、バグも誘発しやすいし、プレイヤー(レンダラー)選びにも苦労させられている。 何がベストチョイスかAIに尋ねても、銘銘が別の回答をする。観点が微妙に違ったりするからなのだろうが、これといった定番が存在していないというのも事実らしい。
5/14
昨日の続き。 言うまでもなくMML(コンパイラー)とトラッカーは別物だ。そもそも私はMMLの方が好みだったのだけど、最近要は「慣れ」でトラッカーを好むようになっている。
十年前に作った、PCE音源使用目的のMML(テキスト)を開いてみたが、ウェーブテーブルの定義まですべてテキストで打ち込んでいる。ちょっと今それをやろうとは思えない。 因みに、そのウェーブテーブルは、おそらくどこかから拝借してきたもの。私は音作りが得意でないもので。
ウェーブテーブル作成用の簡易的なアプリケーションの類を当時導入していた形跡があるので、あるいは自作した可能性もあるが、なんと言うか、適当に絵(波形)を書いただけだろう。波形を見ただけで出音が想像できるような域ではない。というか、ウェーブテーブル音色の一々の違いすら判別が難しい。
今のトラッカー環境では、いわゆる「インストルメントエディター」のようなものがあるので、比較的音の管理はしやすい。 インストルメントのマクロを組んだりとか、当時はできなかったことができる。MMLでも記述可能だったのかもしれないが、少なくとも当時の私にはできなかった。
あと当時使っていたMMLコンパイラーには、私にとって十分なマニュアルが存在していなくて、特にLFOの使い方などでは難渋させられた記憶がある。 今のトラッカーはその辺も楽で助かる。PCMとかも実に使いやすい。
5/13
HuC6280(PCエンジン音源)を使った曲を作りたい。波形メモリー音源6チャンネル、うち2チャンネルをノイズに変更可能。1・2チャンネルを使ったLFOなんてのもできる。一応PCMも使える。 曲を作るなら、HES(サウンドファイル)を一旦介することは必須。
2016年に発表した「Peek-A-Boo」という曲(のオケ)はまさにHESをWinampでオーディオ化したものだったのだが、今調べたら、当時使用したプラグイン(in_he2.dll)が見当たらない。マシンのリニューアルとかホストのバージョンアップの時などに紛失してしまったのだろうか。因みに、今ネット上を探しても見つけられない。本当に実在していたのか疑わしくなるほどに検索のヒット数すら極めて少ない。 一応in_he2を含んだらしき統合プラグインがあったのでそれを導入しておいた。※その後しつこく探したらin_he2も見つかった。
「Peek-A-Boo」のMMLを開いてみたのだが、涙ぐましいほどに機能をフル活用している。 チャンネルのトーン・ノイズを曲中に切り替えたり、LFOもPCMも使っている。当時の私は使ってみたかったのだろうな。
この度新たに曲を作るとして、どのようなものにしようか。 単純に波形メモリー音源として使うのも面白くない。波形メモリー音源なんて他にもいくらでもあるし。 やはり固有の機能としてのLFOあたりは使いたいところ。 あとノイズは2ch使えるわけだけど、どうしたものか。残り4chでベースを含む楽音パートを作るか。 LFO使うなら最悪3chになるな。
今回(MMLコンパイラー)でなく、トラッカーを使いたいと思っているのだが、愛用トラッカーにHESをエクスポートする機能がない。 また互換性のある別のトラッカー使ったりする必要がありそうだ。そもそもノートデータもMIDIインポート機能のある別のトラッカーから持ってくるつもりなので、また面倒臭い作業になりそう。



5/12
ネッシーは実在するか。ネス湖に、言われているようなプレシオサウルス型の中生代の水生爬虫類の生き残りがいるか、という話。 結論としては「いるわけない」。こういう件についての私のスタンスは、「いて欲しい」でも「いるとは思えない」というもの。
この手の未確認生物の研究家を名乗る人物のYoutubeチャンネルを見ていたのだが、ご本人も、数々の状況証拠から信心が揺らいでいるらしかった。
生体の捕獲はおろか、死体や骨の発見例すらない。 中生代末の大絶滅の時点で、ネス湖などまだ存在していなかった。 ネス湖は貧栄養湖なので、大型生物が生息するに十分な餌がない。 爬虫類は肺呼吸なので、ネッシーは数分おきに水面に顔を出さねばならず、(どれだけの個体数が想定されているのか知らないが)最低限繁殖に必要な数の個体がそれをリアルタイムで繰り返していなければならない。 湖深部の溶存酸素の問題。 環境DNA調査の結果。 あと証拠と言われてきた写真類がフェイクであったことなど。 信心を維持するのが難しい状況になっているらしい。
しかし、私がネッシーの実在を疑わしく思う理由は別にある。
中生代末の大絶滅の折、それまで地上にいた竜脚類などの恐竜や、首長竜といった海棲爬虫類などといった、現代的感覚で見れば極めて特異な形態を持つ生物は絶滅した(それ以来の化石の発見例がない)。 もしその大絶滅が、通説の通り「隕石の衝突」に因るものだったとして、隕石衝突のようないわば事故によって個体群など滅びても、それらのニッチ(生態系上の地位)が残ったなら、生き残った生物の中から、そのニッチに収まる(同様の形態を獲得する)者が出現したはずだ。
それが出現しないとはどういうことか。それは、その事故が、個体群のみならず、生態系・ニッチすらも破壊したということ。 環境が破壊され、自然界が激変することによって、かつては存在しえた生物が存在すら許されなくなった。
ネッシーに類する話は世界各地にある(日本にもイッシー・クッシーだとか)。 それらは一つとして確実な発見例・捕獲例がないわけだが、未確認なだけで本当に実在しているのなら、確認された生態系の中にも、それらに類似する生物が存在するはずである。
「ネス湖に魚が少ないからネッシーは存在しえない」のではなく、魚などいようがいまいが、存在できない。個体の有り無し以前にニッチが存在していないから。



5/8
YM2151について。YAMAHA製4オペレーターFM音源。 最初の使用例は、MSX用拡張ユニット「SFG-01」及び、それをデフォルトで内蔵した音楽制作向けMSX「CX5M」。 因みに、2オペレータータイプ(コストダウン型)のYM2413等の方が後発。
YM2413等と違って、チップ側にプリセット音色は無いのだが、上記商品ラインナップの性質上、プリセット音色一切なしというわけにも行かなかったのだろう。「SFG-01」にはプリセット音色が存在する(サウンドチップ側に音色がプリセットされているわけではない)。同時に、YM2151の4オペレーターをフルに使用した音色エディットソフトのようなものがあり、当時のユーザーはスキルにおいてかなりの幅があったろうと思われる。
SFG-01用のプリセットを使いたいのだが、汎用フォーマット(.opm形式など)のものが見当たらない。 パラメーターの数値を記録したテキストを発見したのだが、一々入力して音色ファイルを作ろうとは思えない。ネット上を探してみたのだが、見付からなかった。需要が無いのだろうか。
YM2151を使った曲を作りたい衝動に軽く駆られるのだけど、SFG系のプリセット音色が使えないのがやや残念だ。 一応言っておくと、単にYM2151用の音色というのであれば、いくらでも入手可能である。 私のFM音色作成能力はかなり限定的なので、(一から作った)自作音色をふんだんに使った曲は考えにくい。


5/5
YM2413というか、いわゆる「FM音源」を使っていると、それまでの音源チップとの能力差に感じ入ってしまう。 矩形波は言うまでもないが、波形メモリー音源にしたって、FMほどの楽器再現能力はない。
無論「生楽器と区別が付かない」というほどのリアリティーはないが、「どの楽器を模そうとしているか」という意図の部分は掬い取れる。 矩形波のアタックを遅らせて擦弦楽器を模したりすることとかも確かにあるんだけど、再現性のレベルが違う。 FMをもって、サウンドチップの世界は一つの画期を迎えたと言えそうだ。
YM2413はシンセサイザーというより音源モジュールなわけだが、プリセットサンプラー型の音源と違って、中身の構造はFMで、音声合成機そのものである。15の呼び出し可能なプリセット音色の有用性は認めつつも、ユーザー定義音色を1に限定する仕様とセットにする必要性まであったろうか。 その方が製造コストを低く抑えたりできたのだろうか。このあたりの事情になると、私には全く分からない。


5/4
YM2413を使った曲を作っていた。ヤマハ製FM音源。いわゆるOPLってヤツで、2オペレータータイプの、比較的初期型。YAMAHAのFM音源チップは、4オペレーターの方が先行して発表されている。
YM2413の先行モデルにYM3526ってのがあるんだけど、それの音作りの機能を最小限に抑えて、プリセット中心にカスタマイズしたモデル。15のプリセット音色に加え、ユーザー定義音色を最大1ch同時使用できる。 FMの音作りって難しいんで、実用性を考えれば妥当な商品だと思う。プリセット音色だけを差し替えたような派生品もいくつかある。
FMのみ9chとFM6ch+ドラム5chの二つのモードがあるが、リズムパート入りの曲を作るなら必然的に後者のモードを選ぶことになる。今回もそうした。 私はFMの音作りが苦手で、ユーザー定義音色の領域も持て余しているのだけど、せっかくなので今回はオリジナル音色も入れてみた。自作が不得手なので、上の派生品というヤツのプリセット音色を移植しようと思って、各パラメーターの数値を移植した音色を作ってみたのだが、思うように行かない。AIに聞いたら表示されているもの以外にもパラメーターが存在しているのだとか。本当かしら。
YM2413に固有のサウンドファイルがないもので、今回はVGMからオーディオ化することにした。 ノートをトラッカーに打ち込む作業が面倒臭くて、今回SMFのインポート機能を使った。愛用のトラッカーにSMFのインポート機能が無かったので、別のトラッカーでSMFを読み、XM形式で一旦保存、そのXMを愛用トラッカーにロード、といった迂遠な方法を採っている。ゴミのようなデータが大量に埋め込まれていたり、音源チップの指定でバグが発生したり、色々と難渋させられたが、とりあえず一曲は作り終えた。
4/21
Game boy advanceのサウンドについて調べていた。一応Game boyと銘打っている以上、最低限の互換性は持たせたのだろう、メイン音源に加え、初代機の音源部はほぼそのまま搭載されている。ある時期のFM音源搭載機に、過去のタイトルとの互換性の為にオマケのようにPSGが併設されていたりしたのだが、それに近い。
しかし、両者のサウンドは明確に別物である。原理ごと違う。GBAは基本的にPCMサウンドなのだが、オーディオデータを単にストリーミングするというよりは、サンプラー的なPCM音源、SPC700なんかに近い。しかもほぼCPU合成なので、事実上chは無制限、チップチューンとか呼べるかも微妙なところだ。
仕様についての解説を一通り読んで、とりあえず今回は手を出すまいと思った。掘り下げるなら初代ゲームボーイ(DMG)音源の方だろう。
4/20
予定通りのプロセスでGBS作ってみた。 OpenMPTのMIDIインポート、やはり多少の難があった。こういうのって何の障りもなく進行することの方が珍しいので、今回もある程度折込済みではあったけど。
インポートしたMIDIデータの、16分音符が2Rowを自動的に占有する。1Rowで良いのだけど、そのようなインポート設定はなく、一旦取り込んだデータをShrinkすることしかできない。1曲単位になるとこれもそれなりの手間だ。 あとこれはOpenMPT固有の問題ではないのだけど、トラッカーに「小節」の思想が薄いのが障りとなった。変拍子込みの曲なんて取り込むと、変拍子以降のノートがすべてズレる。 私は取り込み用のSMFを数分割するなどして回避したが、この辺も改良してもらえたら助かる。
色々言ったものの、絶望的な気分になるほどの困難には遭遇せず、概ね順調に作業は終わった。 因みに、オーディオデータも当初の予定通りfoobar2000+foo_gepで生成した。 音の良し悪しとか実機再現度とか、私にはサッパリ分からない。


4/15
SPC700を使った曲を作っていたのだが、SPCファイル経由で作ったガイドメロディーの音が、オケ(バッキング)と同期しない。 スピード(BPM準拠ではない)はどうやら同じなのだが、オケの方の冒頭に数秒の無音部分があるらしい。何故なんだ。
検証しているうちに分かってきた。トラッカーから出力したSPCの時点では完璧に同期しているのだが、どうやらエコー情報を追加したSPCを出力する際に、上記の空白が生まれる。 エコーは必要があって追加しているのだからその工程を端折るわけには行かない。
ガイドメロディーのSPCの方も、エコー追加プログラムを経由させれば良かろうか。エコー系のパラメーターを全部オフにした状態で出力すれば、音にはさほどの影響が出ないはず。プログラムを一旦介せばその謎の空白も付加されるだろう。まったくの同尺であるか不明だが。
今回は上記の手法は試さず、ガイドメロディーのオーディオデータをDAW上で(手作業で)動かしてオケと同期させることとした。その方が楽だったので。 まあガイドメロディーは最終的なマスターに残る音ではないから、多少扱いも雑になる。



4/12
Gameboyは一応PCMを発音させることができる、ということになっている。実例があるので、できること自体は間違いないのだが、2A03(ファミコン音源)のようにDPCMパートのようなものが特別に設けられているわけではない。 Waveメモリー音源の機能を応用した形でPCM再生を行っているのではないかと思われるが、少なくとも.gbsファイルにPCMを埋め込むことはできない。仕様上、不可能であるということ。
.gbc(Game Boy ColorのROMファイル)であればPCMの埋め込みは可能であるようだが、hUGETrackerの.gb出力において(gbc出力機能はない)、PCMパートは埋め込めない。他のコンパイラー(GBMC等)では可能であるようだが、それでも.gbcに限る(.gbsでは不可)みたいだ。.gbsの限界らしい。
現状PCMを使いたければ、hUGETrackerを諦めないといけない。また、他のツールを使うにせよ、GBSファイルを経由することは諦めざるを得ない。 GBCでも良いんだけど、エミュレーター(あるいは実機)でしかロードできないわけだから、オーディオレンダリングはできない。キャプチャー(録音)によってオーディオ化するしかなくなるのだけど、作業効率が一気に落ちる。悩ましいところだ。
PCMは諦めるか。というか、諦めるというほど現時点で何らかのアイディアがあるわけではない。 曲を作る過程でPCMを使いたくなる状況が出来しなければ、当初の予定通りhUGETracker→GBSで行こうと思う。
4/11
hUGETrackerのマニュアルを読んでいた。 極端にキツい方言のようなものはない、比較的素直なトラッカーと見た。エフェクトコマンドのリストを見ていても、特段に変わったところのない、ごく標準的な構成。特異な部分のほとんどは、トラッカーというよりGBS(というかGameboy APU)の制約由来なのだろう。 基本的にGBS作成に特化したトラッカーなのである。専用機という信頼性はある。
SMFをOpenMPTでインポート→hUGETrackerにノートをコピペ→データを微調整、って感じで行けそうな気がする。 難所はSMFのインポート。これの精度が悪かったら、作業フローは完全に破綻、作り直しだ。
ドラムパートは基本ノイズトラックを使って作ることになるものと思われる。基本的にNSFと構造が近い。 例外的に楽音にピッチエンベロープかけてタムやキックを模したりはするのけど、今回その技法は使わず、リズムはノイズのみに担当させたい。 しかしドラムトラックだけは、SMFから単純にインポートってわけに行かなそう。
hUGETrackerには(最低限なのだろうが)プリセット音色のようなものがある。例によって私は、音作りをしない音屋なので、これは有効活用させてもらおうと思う。あと、デモソング内にある「人様の作った音色」も拝借したい。原理的にそんなにオリジナリティーの高い音色なんて作れるようなものでもなし、自分で作っても良いのだけど、少しでも作業効率を上げたいのだ。
hUGETrackerの特異な点として、サブパターンの存在が挙げられる。 インストルメントエディターを使って、音色内にエフェクトコマンドのパターンを埋め込むような、一種の「入れ子構造」を作るもの。まだ使ってないけど、何となくやらんとしていることは分かる。
4/10
Gameboy APUをモデルとした曲(バッキングトラック)を作りたい。 専用サウンドファイルであるGBSを経由するのは今回も必須の命令としたい。
以前MML(+コンパイル)ベースでGBSを作ったりしていたんだけど、今回はトラッカーにしたい。 最近愛用のトラッカー(Furnace)にはGBS出力機能がないのだけど、Furnaceは別のトラッカー(Deflemask)との互換性があって、そのネイティブファイルを吐き出せる。DeflemaskはGBSを出力できるので、そのコンビネーション前提で取り掛かろうと思っていた。
AIに相談したらhUGETrackerってのを強く推して来る。どうも現状、実機のシステムに一番忠実であるらしい。無論GBSも吐ける。しかし、そのためだけにまた新たなトラッカーのオペレーションを覚えるのが若干億劫にも感じる。 そうして調べているうちにOpenMPTのノートデータとの互換機能があることを知った。ファイル互換まで行かないが、両トラッカー間でUI上のノートデータをコピー&ペーストできるようだ。OpenMPTはMIDIインポート機能があるので、それだけでもかなり作業は楽になりそうな気がする。 ただし、OpenMPTのMIDIインポート機能は、以前試したことがあるのだが、あんまり上手く行かなかった記憶がある。ベタ打ちのノートだけとかなら問題なく行けるのだろうか。 食指が動かないこともない。


4/8
SPCを作っていた。というか、SPC700使用前提の曲を作っていたのだが、困ったことになった。
ガイドメロディーのパートが想定の通りに作れない。 オケとVoパートで別々のSPCを出力した上でWAV化しようと思っていたのだが、おそらくSPCの仕様で、無音(ノートデータなし)の状態が続くと再生がストップしてしまう。それも僅か数秒とか数小節で。再生できない部分はレンダリングもできない。
そもそも何故ガイドメロディーをSPCで作らねばならないかというと、テンポ管理が特殊で、BPMベースのそれと完璧に同期させるのが至難であるからだ。Chiptuneと現代DAWは、とかく相性が悪い。
とりあえずの解決策として、voパートと一緒に、曲間ずっと鳴りっぱなしのパート(ドラムとか)をインポートし、そのパートを最少音量で再生させることにした。この状態で出力したSPCなら一応最後までオーディオ化できる。よく聴くとガイドメロディー以外の音も混ざっているわけだけど、最終的なマスターにまで残るものでなし、許容することとした。 因みに「最少音量」というが、100段階中の0ではNG(無音扱い)で、3にしてやっと音と認識された。要するにボリュームは厳密には100段階でないのだろう。
Chiptuneシリーズは、このような創意工夫が随所に必要となる。そしてそこが面白いところでもある。


4/3
今の総理大臣、高支持率・選挙の大勝、と言った華々しいスタートを切ったわけだが、眺めている限り、ほぼ私にとっては想定の範囲内の動きしかしていない。 そんなに高い支持を集めていたのだから、おそらく多くの日本人は想像を絶する(全知全能のような)働きを期待していたのではないか。
私はその高支持率を、まったく美しい現象と思えない。 要するに、日々悪化する状況を「何とかしてくれる者」の登場を渇望したのだろうけど、その状況は自らの愚かさが招いたものだ。打ち出の小槌のような完全無欠の政治家などあろうはずがない。 期待はいずれ失望に変わるだろう。
「物価高対策をしろ」との声が大きいようだ。 昨今のインフレの一因が、数年前のコロナ騒動にあるのは疑いないが、その狂騒を帳消しにしてくれる誰かの登場を望んでいるらしい。虫の良いことだ。 私は過去に「俺は何をやっても許される」と豪語している愚か者を見たことがあるが、許されるかはさておき、人は基本的にやれることは何だってやれる。人殺しだってできる。そこから波及する影響をコントロールできないだけで。
人は自らの愚かさのツケを必ず払わされる。因果を絶つことはできない。 失敗がタダの損失にしかならないのは、その人に進むべき方向がないからだ。夢さえあれば、失敗など授業料に過ぎないのに。
4/2
現在私はWindows11上でDAWを使っているのだが、過去のマシン(Windows7など)を手放せない状態になっている。 何故かと言うと、旧バージョンのDAWや32bit用プラグインなど、現在の環境で再現できないものがあるからだ。 当時の環境で作った無数のセッションをゴミにするわけには当然行かない。 因みに、現環境でも当時のセッションが(不完全な形ながら)開けないことはない。
例えばWindows7マシンを今も保有しているのだが、仮にそれが使えなくなったらどうするかというと、中古でも何でもいいから、またWindows7が使える環境を構築せざるを得ない。 単にテキスト打つためにPCを使っているケースなどと違って、マシンの「乗り換え」なんてシンプルなことができない。 昔DTMの学校の教師をしていた知り合いに「機材は買い換えるものでなく、買い足すものだと生徒に教えている」と言われたことがあるが、その通りだ。
とある伝説的プログラマーの個人Webサイトを見たら、所有マシンの一覧があったのだが、やはりその人も、過去のマシンをほとんど現役感覚で所有(使用)し続けていた。そうなってしまうのだろう。
そういえば、DAWベースで曲を作るようになる前に使っていた単体HDRやそれ用のデータなんかも、いまだに(仕事場に眠っているが)手放せない。 データ類はCD-RWに保存しているんだけど、正常にロードできるのだろうか。 一応5年前くらいに、ある案件でエージェントから照会がかかった曲をロードしてみた際には特に問題なかったが。マシンのオペレーションなどは綺麗サッパリ忘れていたけど。まあそれはマニュアルを一から読めば思い出すだろう。


4/1
Little Sound DJ(LSDJ)という、Game boy用のトラッカーソフトがあるのだが、無料化されたというので使ってみた。実機なんて持ってないのでエミュレーターで。
実機用のソフトなんで、極めて限定的な操作子しか想定されていなくて、複数ボタンの同時押しみたいなコマンドが頻出する。それをコンピューターキーボードで行うのだから、まあ面倒臭い。私はエミュレーターでの曲作りをほぼやらない音屋なのだが、今回も例に漏れないようだ。
Game boy音源を使った曲作りについては、検討しようと思った。過去にGame boy音源で作った曲はmmlに拠るものだったんだけど、それは避けたい。やるならトラッカーだな。gbs(サウンドファイル)を経由することは絶対命令だ。
Game boyのサウンドチップは、矩形波2ch・波形メモリー音源1ch・ノイズ1ch。ファミコン音源の三角波が波形メモリーになった感じ。細かい相違点はあるのだけど、分かりやすいところではGame boyがステレオであるところ。確か左右どちらか100%の、非シームレス仕様。 因みにGame boyのスピーカーはステレオではない(モノラルミックスダウン)。イヤホン使用時にのみステレオ機能は発効する。
仕様上やむを得ないが、如何にもChiptuneといった曲しか作れない。今SPC700を前提とした曲作りに集中していて、こちらは8chのローファイ・サンプリング音源なので、つまりは劣化版J-POPのようなものを作っている。一応最大8音同時に使えるので、和声的にも多少凝ったものが作れなくもない。少々ギャップがあるな。


3/27
SPC作りの環境が粗方整ってきた。それなりに骨を折ったので、一曲のみしか作らないのも勿体ない。せめて二曲くらい作りたいところだ。
とりあえず一曲目はできた。オケだけだけど。 率直な感想としては、(音が)ショボい。 Chiptuneの音なんてショボいものだ、と思われる向きもあろうが、そういうことではないのだ。 PSGで生楽器音を再現しようとしても大した結果は望めないが、あれはあれで矩形波としてローファイな音ではない。SPC700はローファイサンプラーなので、要するにショボい生楽器音なのだ。
あまりに低音の聞こえが悪いのでMixバランスを大幅に変えてみたのだか、劇的な効果はなし。因みにミキサーなんて便利な機能はない。ベロシティ値や各インストルメントのレベル弄って無理矢理バランスを取った。
エコーはせっかくなので使ってみたが、割りと極端な設定にしないと効果が出にくいみたい。全体的に音が劣化するような。ドライの方が良いのかも。
SPC制作用のトラッカーは、ハッキリ言って使いにくいのだが、MIDIインポート機能があるので、付き合いを最小限に抑えられている。あれで一からノート打ち込めとか言われたら地獄だ。 あとインストルメントエディターでエンベロープが設定できるんだけど、スライダー(数値)の動きとその結果としての音の変化が、通常のものと逆連動になっているのとか、地味に使いにくい(例えばリリースは0が最大値)。久しぶりに使ったりした時、綺麗サッパリ忘れてそう。
結局SPC700を使ったサウンドは、厳密な意味でChiptuneと言えるのか。言えても最期のChiptuneとということになりそうだ。サウンドチップには違いないのだが、SPCという、一種のROMを再生する装置で、サウンドファイルという譜面情報を演奏する、それまでのタイプのサウンドチップとは明らかに原理が違う。無論現行のコンシューマーゲーム機のように、ほとんど一切の制約がないものとは違うのだけど。
3/21
SPCについての追記。 まだ曲に関しては、ほぼまったく手をつけていない状態なのだが、制作用ツールを物色・試用中。制作フローだけは粗方固まってきた。
SNES固有のエフェクトとして「エコー」がある。せっかくなんで使ってみようと思ったのだが、トラッカーにエフェクトコマンドを打ち込むような簡単な方法では実現できない。 要はSPCファイルにエコー(のトリガー)情報を埋め込めない。厳密には埋め込めないこともないんだが、トラッカーが対応していない。
トラッカーから出力した(エコーなしの)SPCにエコー情報を埋め込むためだけのようなツールを発見したので、落として使ってみた。 因みに「だけの」と言ったが、単に目的が限られているだけでなく、特定トラッカーから出力したSPCだけにしか使えない。究極に用途を限定したツール。
エコー情報は簡単に埋め込めたのだが、エコーに対応しているプレイヤーがまた少ないらしい。困じ果ててしまっていたのだが、レンダリングに使う予定だったプレイヤー(+プラグイン)が設定次第でエコー情報を反映することが判明。事なきを得た。 ついでながら、SPCファイルとエコー・エフェクトが分離されている一つの証左として、SNESのゲーム内でも同じBGMにおけるエコーが、通常フィールドではドライ、洞窟内ではウェットであったりするらしい。
何故にSPCファイルにエコー情報を埋め込む程度のことに、このような難所があるのかというと、それもSNESというか、SPC700の仕様から来ているという。 SPCという演奏情報(+圧縮サンプル)に、サウンドチップ側でエコーを付加する仕組みらしい。一応チャンネル毎のオン・オフを設定できるのだが、メカニズムとしてはセンド・エフェクトのようで(センド量が指定できず、センド・エフェクトとも違うが)、エコーのパラメーター設定は全体統一でしか行えない。 但し、レンダリングしたオーディオデータにDAWでリバーブ挿す、みたいなのとは根本的に違う。あくまでSNES固有の機能である。事実ch毎にスイッチが装備されている。
3/18
SPCのオーディオデータ化について調べていた。
foobar2000のSPC用プラグインにfoo_gepとfoo_snesapuってのがあって、どちらを使うかの判断のよすがをAIに求めていたのだが、AIによって回答が違う。片やは前者が優れていると言い、もう片やは後者が優れると言う。どういうことなのだ。
調べていると分かってきた。優れている点(着眼点)が違う。foo_gepは高音質、foo_snesapuは実機再現度が高い、とのことだ。 後者が再現する実機の音とは「チープさ」も含まれる。だからクリエイター側の「方針」によって、どちらを使うべきかの判断も分かれてしまう。 今のところ私はfoo_snesapuを使おうと考えている。
使おうと思っているトラッカーがあるのだが、BRR形式(圧縮ファイル)が直接読み込めない。 SPCで出力できるのだから内部的にはBRRで処理しているはずなのだが、アプリケーションとしてはセーブもロードもできない。 手元にBRRの資産があるので、できれば活かしたい。WAVは読めるので、BRR-WAVのコンバーターをとりあえず入れてみた。 WAVを経由すれば別のトラッカー用のインストルメントを取り込むこともできるのだが、アプリ側に基準ピッチの設定とかって便利な機能がないので、波形編集ツールとかでのピッチ調整が不可欠となる。
などと言いつつ、制作環境の方はあらかた整ったのだが、曲想の方が現時点でまったく無い。 音屋は、降りてきたアイディアを作品化することしかできないからな。
3/17
SPCについて。(任天堂の)SNESのサウンドファイル。 それを再生するSPC700(SNESのサウンドチップ)は、PSGとかFMとかそういう音声合成機ではなく、要はサンプルプレイバック音源。サンプルはファイルの方に埋め込んであるから、プリセット型の音源モジュールよりはサンプラーに近い設計。 一応サウンドチップ化されてはいるからChiptuneの範疇には入るんだろうけど、シンセサイズは行っていない。
以前リリースしたChiptuneシリーズでは、SPC700をエミュレートしたVSTiを使って作った曲を収録していて、BRR(SPC700用圧縮オーディオファイル)を使った、再現性もそれなりのものらしいんだけど、SPCを経由していないので、そこが若干の心残りとなっていた。 今回それを解消すべく、SPCを作りたい。 SPC出力可能なトラッカーがあるので、SPC作成までのプロセスはある程度固まっているんだけど、そのSPCをどうやってオーディオ化しようか思案している。
SPCを再生できるプレイヤー、エミュレーターの類はいくつかあるんだけど、なるべく精度の高いものにしたくて、今のところfoobar2000+foo_gep(SPC再生用のプラグイン)にしようかと思っている。他に良い方法があれば教えて欲しいんだけど、最近執心している対象がマニアックなのか、アドバイスをもらえることが少なくなっている。

3/16
Chiptuneの新シリーズの構想を練っている。曲に関しては、オケまでほぼ上がっているものだけで20数曲ある。現時点でマスターが上がっているのは1曲。
20数曲もあると、普通の曲と同じようなリハーサル期間を取るだけで数年はかかってしまう。そんなわけにも行かないので、かなりペースアップして行こうと思っている。イメージ的には一年以内くらい。しかも、Chiptune以外のナンバーも並行して作っていく予定。 幸い、一つ一つの曲が短くてシンプルなので、普通に臨んでも比較的普通の曲よりは早く上がるだろうと思う。
2016年にリリースしたChiptuneを集めた2タイトルは、POPS的な曲を集めたものとエレクトロニック系を集めたものに分けた。 今回もそんな感じにしたいと思っているんだけど、そんなにキレイに色分けできるだろうか。 端からそういうつもりで曲を作っていないもので。

3/11
アフリカ音楽関連の文献に当たっていた。別に目的があるわけではないが、最近エージェントからアフリカ音楽関係の入札情報のようなものが回ってきたもので。それ自体には参加していないのだけど、なんとなく気になってアフリカ音楽についての資料を読んでいた。
アフリカって広いんで、同じアフリカでも北アフリカなんかは、思想的な柱がマカーム理論だったりして、中東(というかユーラシア)の影響が強い。 亜種というほど酷似するわけではないが、研究対象としては魅力が薄く感じる。
西アフリカの音楽と中央アフリカ(コンゴ周辺)のルバ音楽では、使用される楽器もかなり違う。 混用されていたりするのかと思ったが、現代音楽についてはさておき、伝統音楽の世界では基本的に無いそうだ。 日本から地理的に遠い世界なので、どうしても一からげに捉えてしまいがちなのだが、日本と朝鮮半島でも音楽体系などはかなり違う。
主な特徴として「ポリリズム」が挙げられるのだが、3/4拍子4小節と4/4拍子3小節とが同尺に収まるような、我々の考えるポリリズムとは若干違う。4拍子系のリズムに三連符が乗るようなイメージに近い。 現代音楽のようなタイトなリズムじゃないから、多少解釈に幅が出てしまう。
例えば(ルバ音楽の)代表的リズムであるMutwashiについて知りたくて散々テキストを当たったんだけど、やはりこういうことは作例に当たらないとダメだと思った。それも原形のような伝統音楽の。 ダンス音楽にアレンジされた現代Mutwashiなんかを聴くと、原形を知っている人ならまだしも、私のような素人にはむしろ誤解を招きやすい。
アフリカ音楽をベースにした曲を書こうとは現段階では思っていない。かなりベース部分の感性が違う。 換骨奪胎して、例えば楽器編成だけ拝借したPOPSのようなものを作るとか、似非エスニックみたいなものを作ることならありえるかも。



3/10
VSUのスイープとモジュレーションの使い方がよく分からない。因みに両者は排他使用。 専用のコマンドがあるのだが、数値と音の変化との関係性がうまくつかめない。 一応マニュアルは存在しているのだが、どうも記述にミスがあるようで、明らかに矛盾する挙動が見られる。まあ個人製のプログラムにはよくあることだが。 整合性はつかめないものの、入力したコマンドと結果としてのエフェクトは耳で確認できるので、よく分からないままに数字を調整しつつエディットを進めている。なんか気持ち悪いが。


3/6
VSUベースで作った曲(オケ)をどのようにオーディオデータ化しようか考えている。
まずノートを組んでいるトラッカーから直接WAVをレンダリングできるのだが、それがそれなりに高精度らしい。だから最悪それでもいい。作業も楽だし。 因みにそのトラッカー、vgmも出力できるから、各種vgmプレイヤーを介してのオーディオデータ化も可能だ。
今候補として考えているのはVGMPlay。アプリケーションなんだけどマトモなGUIのない、ほぼコマンドラインツールのようなプログラム。ファイルメニューすらない。 かなり実機に忠実なWAVを吐き出せるとのことだ。私が耳で聴いて判別できるようなレベルの話ではないが。
VSUは6ch全てが完全ステレオである。Virtual Boyが3Dを売りにしていたからサウンド面にも当然立体感を求めたはずで、納得の仕様ではある。曲を作るに当たって、その仕様をどう生かそうか思案している。
現代の録音物は基本的にステレオなんだけど、あんまり極端なパンニングを施したものって、それはそれで少ない。左右どちらかに100%振られた音なんて、まず自然界には存在しないわけで。
普段曲を作る際に、ドラムキットなんかはそのステレオ効果を託しやすいパートなんだけど、今回のようなノイズ1chの音源においてはどうだろう。スネアやキックなど、中央に定位すべき音色がパートのほとんどを占めてしまう。
3/4
仕事について。 私は仕事をしたことがあるのだろうか。作業に忙殺されたことは無論あるが、米一粒作ったことがない。私は人類の生存に不可欠な作業などやったことがあるのか。神の意志に添う、この世界への貢献ができたことなどあるのだろうか。
以前プロダクションの制作部に勤めていた時は、最大時30人(アーティスト)以上のディレクター業務を担当した。 これは今考えてもとんでもないことで、各人と週に一回程度のミーティングを設定するだけでスケジュールは殺人的になる。 しかも当時は、会社に週三日程度しか出勤しなかった。それ以外は今で言うテレワークのような状態だったのだが、作曲やアレンジ作業もしなければならず、機材類はほとんど自宅にあったので、そうせざるを得なかったのだ。作業中にも電話などはバンバンかかってくるし、呼び出しもかかる。決して気楽なものではなかった。 当時その会社のスタッフの離職率は凄まじく、他のスタッフも程度の差はあれ似たような境遇にあったのだろう。
当時、マトモな思考すら奪われるほどに、可処分時間のほとんどを作業に奪われていた私だが、私がやってきた音楽制作だとかって、ある人から見れば「遊び」そのものだろう。私が私であるからこそ、この遊びに意味を見出せる。
誰かが、穴を掘ってその穴を埋める作業に忙殺されていたら、それは仕事なのだろうか。 実際そのようなことをやっている人はいるのだろうけど、その人にその「穴を掘り穴を埋める作業」を作り出すのに、社会は(その人の給金などを遥かに超えるような)甚大なコストを払っていたりする。同時にその無駄こそが、経済のレバレッジそのものなのかもしれない。 一つ言えることは、犬や猫が仕事をしないように、人間が仕事をしなくてはならない、とは限らないかもしれない。
寝る間もないほどに働くサラリーマンは「自分は仕事をしている」と当然のように思っているだろうが、その仕事の質によっては、その人がその作業を止めてくれる方が、余程にこの社会には有益でないかと思えるものもある。 もっと言えば、その作業に忙殺されずにいられないその人が、そもそもこの世界に存在しなかった方が、余程に我々は幸福だったのではないかとさえ思えることもある。
車が一台も走っていなかった江戸時代にも、人々はそれなりに暮らしていた。 だからして、トヨタや日産などの自動車メーカーやその下請け、それらを含む自動車産業、それを管轄する国土交通省や運輸行政そのもの、だって本当に必要なのか私には分からない。 「必要である」という前提で現代社会が成り立っていることを知っているだけ。


3/3
VSU(Virtual Sound Unit)についてのメモ。コンシューマーゲーム機「Virtual Boy」のサウンドシステム。因みに、汎用サウンドチップのようなものではない。同機専用である。
全6ch。波形メモリー5ch・ノイズ1ch。5chのみにスイープ・モジュレーションのエフェクトがかけられる。 スイープは確かWonder Swan音源に実装されていたのだが、ノートのリリース部分のピッチをしゃくり上げるような効果だったような。 モジュレーションの方はLFOというかFM変調のような、多分ディスクシステム拡張音源(FDS)と似たようなもの。
Wonder SwanやFDS音源を使った曲を過去に書いたことがあるのだが、当時それらはMML製だった。今回はトラッカーを使う予定なので、比較的作業は楽になるはず。
因みにVSUはvgm対応だそうで、一応サウンドファイルが作れる。最終的にはオーディオデータ化するので、どういう手法を採るか今から考えねばならない。
ここ暫く2~3chの音源で曲を作ることが多かったので、5chもあることに随分余裕を感じる。和声的にも自由度の高いスコアが書けるはずだ。
3/2
歌入れが二件あったもので、今それの編集中。うち一曲は例のフェアライトのエミュレーター製なんで、編集の勝手も違う。とは言っても、もう随分慣れてきて作業のペースも上がってきた。


2/28
PCM(digi)入りのSID音源(6581)の音を如何にしてオーディオデータ化しようか思案中。
できれば一度SID ファイルを介したいところで、それをC64エミュレーターかSID プレイヤーでwav化したい。 基本的なノートというかパターンはFurnaceで打っているのだけど、そこから直接SID は吐き出せない。別のトラッカーを経由してならSID化できなくもないんだけど、端折られるコマンドが多くて実用的でない。まあ修正の手間を厭わなければ出来なくはないんだけど。
Furc64というプログラムがあって、Furnaceのネイティブファイルを(.sidではないが).prgというC64のアプリケーションファイルに変換できる。それを使えば実機は勿論、エミュレーターでも楽曲を再生できるようになるのだが、導入に当たって必要なプログラムが多い上、作者の手による公式プログラムでもない。どうも食指が動かない。
あれこれ思案していたら、Furnaceが今後のバージョンアップでSIDファイルの出力機能を実装する予定であることを知った。 いつになるやら不明だが、とりあえずそれを待とうかしら。
2/27
SID音源(6581)でフェイドアウト書いてみた。当初思っていたよりは面倒でなかった。
ボリュームをフェイダーで変化させるような便利なことはやはりできなくて、結局インストルメントエディターで一々ボリューム別のインストルメントを作ることに。 一応音源の仕様としては15(0を合わせると16)段階の音量が指定できるのだが、そもそもミキサーのような機能が無いので、ノートを打ち込む段階で各音色に音量を設定している。元々音量の設定値「5」の音色についてなら、5段階しか音量指定ができない。つまり、フェイドアウトを表現しようとしても、かなり粗いカーブにしかならないということ。
FurnaceのSID音源モードにPCMパート付きのものを発見した。いわゆるDIGIを再現したものだろうか。因みに6581のみ。 しかしFurnaceは直接SIDファイルを吐き出せないし、.dmfで出力はできるが、Deflemaskの方がDIGIに多分対応していないので、結局のところDIGI入りのSIDファイルは作れない。
話は変わる。 先週録ったボーカルテイクの編集をしていたのだが、またピッチ関係で苦労させられた。 テイクそのものには何の問題もないのだが、オケが酷すぎて。結局ほぼ全ボーカルパートのピッチを33Cent(半音の33/100音)下げてMixするという荒業で解決した。
2/26
SID音源(6581)についての追記。 フェイドアウトの曲を書こうと思っているのだが、マスタリング時にDAWでボリュームのオートメーション書くようなものではなくて、SIDファイルの時点でフェイドアウトを完成させたい。
ボリュームカーブなんて便利なものがないことは端から承知していたのだが、ノート毎のボリュームコマンドすら打てない。 厳密には打てるのだが、非常に面倒臭い。 インストルメントエディターを使って音色を作り、各トラック上で音色番号を指定する、みたいな流れなのだが、そのインストルメントエディターでの設定が常に優先されるので、エフェクトコマンドの大半が無視される。ボリュームコマンドは勿論だし、事実上のボリュームとして機能しそうなフィルターも動かせない。 マスターボリュームも(少なくともリアルタイムでは)動かせない。
どうすれば良いかと言うと、ボリューム設定を変えた数段階(最大15)分のインストルメントを作成し、トラック上で一々音量値を減じたそれを段階的に指定しなければならない。 インストルメント数が膨大になるが、確かトラッカー側でインストルメント数の制限(64だったか)があるので、最大解像度(と言っても16段階だが)のフェイドアウトは多分作れない。
2/25
SID音源(6581)を使った曲を書いている。今やっと原型としてのスコア(MIDIデータ)を書き終えて、それをトラッカーに転記しているところ。
しかし制約が多い。 特にトラック間の音の干渉が酷い。リングモジュレーターは複数トラックの使用が前提で、当然別トラックの音に影響が出るのだが、単なるフィルターですら個別トラックに設定できない。 フィルターは全トラック共通。特定トラックをフィルタリングの対象から外すことはできるが、音色も当然変わる。
あとこれは、私がメカニズムを理解していないことが原因だと思われるが、あるトラックにロングトーンを配置した際、別のトラック(のノート)が干渉してアタックが複数回入るようになる。 また、あるフレーズを入力した際、音符の音高によって聴感上のボリュームが甚だしく違う。それらの不具合を、都度エディットで極力回避するよう努めているが、それにしても限界がある。 この制約こそがSIDだ、と言われればその通りではあるが。
2/24
フランク・ザッパの曲には「リピート」がほぼ無い。 例外的にある場合もあるが、単純なリピートというよりバリエーションに近いものが多い印象。 音楽の一般的様式を踏襲していないのだろう。 彼が作っていたのは「モジュール」であるという。それを繋ぎ合わせて曲としていた。
延々と続く8分音符のベタ打ちのフレーズを聴いていても、一定音型のスケールを並べただけのような単純なものではない。 あるいはああいうフレーズすらも、彼の作曲の産物だったろうか。
キャプテン・ビーフハートはザッパのハイスクール時代の同級生だったそうだ。 あれだけ癖の強いミュージシャン二人が同窓であるなど、音楽史上の奇観とも思える。 互いに影響し合った部分もあったろうか。
ザッパの「思考」を想像している。酔いそうになるが。

神田優花、レコーディング。何日か前に触れた例のフェアライトエミュレーターを使った楽曲。 ようやく半分くらい録った。これから編集です。

2/18
DIGI Organizerを導入。VICE(Commodore社製のレトロコンピューターのエミュレーター)で動かしてみた。 実はVICEは既に入れていたんだけど、最新のものをあらためて導入した。しかし一部のプログラムとの相性が悪いみたいで、結局旧バージョンも残している。有志製のプログラムにはこういうことがよくある。
SIDがロードできない。厳密にはロードだけはしているようなのだが、再生ができない。「有効なプレイヤーが存在しない」みたいなエラーメッセージが出る。 原因は特定できないものの、どうやらSIDファイルにはいくつかのバージョンが存在していて、内容がかなり違うらしい。DIGI Organizerはそのうちの古いタイプにしか対応していないそうで、現行のトラッカーなどからエクスポートしたSIDファイルの再生には難があるとの由。バージョンのコンバートは不可能ではないものの容易でないそうだ。 これはAIの回答なのだが、例によってそんなに信用が置けるものではない。
DIGI OrganizerはDIGIが扱える現状唯一のトラッカーなのだが、そのためだけにVICE経由のトラッカーアプリに習熟しようとは思えない。 FurnaceあたりがDIGIに対応してくれたら良いのに(←対応しているらしきことが判明した)。


2/17
フランク・サッパの音楽を聴いていると、「個性」についてあらためて考えさせられる。 自分は他人と「どこがどのように違うのか」を考えるよりも、「どこがどのように同じなのか」を考える方が、個性の本質に迫れるような気がする。
ザッパの認知が、通常人とかなり違ったことは疑いようがない。音楽のような様式的な世界であるからこそ、そこは際立つ。 同時に、ある部分が「同じ」であることにも気付く。ザッパもやはり人間なのだ。 私は、その作者に見えている世界を体感すること、こそが芸術鑑賞の滋味であると思っている。
創造性というのは妄想であると言う意見を目にした。 作風と言われているものは単なる「癖」であり、生成AIの台頭によって、代用されるものであると。 確かにAIに「ピカソ風の絵画」を作ってもらうことは可能だろう。画商すら真作と区別が付かないレベルのものだって、いずれは作れるのではないか。
商業用途の音楽作品のほとんどは、今後AIが担当することになるだろう。 でもそれによって芸術(追求)の価値が失われることはない。 その営みが、マネタイズの手段を一つ失いつつあるというだけ。


2/15
何度も触れているような気がするが、少し前、とあるフェアライトのエミュレーターに執心している時期があって、当時それを使って十数曲を書いた。
ある意味面白いソフトである。 エミュレーターとは言っても厳密な意味でのエミュレーションを行っているわけではなく、本家からソースコードの提供なども一切受けていないという。 いわば作者が見様見真似で作ったアプリケーション。
それ(アプリ作成)自体は凄いことなのだろうけど、商用ソフトのようなシビアな設計でなく、要するにオモチャである。 ピッチは緩いし、リズムは緩い(設定BPMに忠実でない)し、スピード制御・変拍子系など、対応していないコマンドが多く、あれをメインでは到底使えない。 我ながらよく十何曲も書いたと思う。 あれはフェアライトCMIという名機の使用感を体験するためだけのものと割り切るべきだったろう。
ピッチが緩いのは、プリセットサンプルの音程の甘さもあるが、それを制御する本体の設計の甘さもあるような気がする。 キチンと測定したわけではないが、ピッチのズレが音域ごとに一定でないように思われる。 ピッチなんて最悪相対関係だけ安定していれば音楽作品になると高を括っていたが、それさえもままならない。 そもそもサンプルごとにズレ幅が違う。 リズム(速度)も、走らせる環境(例えばOS)によってかなり違ってくる。 フリーソフトなのだが、正直値を付けられるような代物ではない。
今そのアプリケーションを使って作ったその十数曲の仕上げを行っているのだが、まあ難儀の連続である。 特にボーカルテイクなど、補正が一筋縄で行かない。 レコーディングしたものを一旦楽音ベースでピッチ補正し、その後オケに合わせてトランスポーズする、という工程を踏む予定だったのだが、上記の理由でそのトランスポーズの幅が一定しない。 全部作り直そうかとすら考えたが、その難題というか制約こそが面白いものを生みはしないかと踏みとどまった。
ちょうど十数曲あるので、そのトラックをまとめてアルバム化することも考えたが、いかがなものだろうか。 商用音楽としてのクオリティーにはまったく自信がないが。 因みに現在、14曲中6曲を作り終えていて、今7曲目のリハーサル中である。まだ先は長い。


2/14
Commodore64(SIDチップ)のDIGIについて調べていた。 結論として、現時点でDIGIをエディットできるトラッカーは存在しないと言って良いのだが、C64実機(あるいはエミュレーター)で起動できるDigi Organizerってアプリケーションが例外的に存在する。スタンドアローンでは使えないが。
※追記 後日Furnaceにそれらしきモードがあることを発見したが、SIDファイル化はできない。
SID制御用のトラッカーなのだろうけど(私は使っていない)、外部から持ってきたSIDファイルをロードくらいできるのだろうが、その後編集した楽曲ファイルをSID形式で出力できないっぽい。ネイティブファイルのような形で管理するのだろうか。単にセーブするだけなら最悪エミュレーターのSnapshotでも良いんだけど、SIDで保存できないってのはちょっと引っかかる。
あと私には、エミュレーター上での編集(シーケンス等)が肌に合わないらしく、マトモにやれた試しがない。せいぜいコンパイルとかノートの微調整くらしかやったことがない。
SIDの編集ができるトラッカーはいくつか存在しているんだけど、基本的に音源部制御のみを目的としている。どうしてDIGIを扱えないんだろうか。


2/8
SID音源の出音をチェックするためにYoutubeでCommodore64のプレイ動画を見ていたんだけど、ところどころにPCMっぽい効果音が入る。SIDってPCMあったかしらと思って調べてみた。
ある無いで言えば無いのだが、CPUを駆使した言わば裏技として、PCM再生の真似事のようなことができたらしい。 DIGIとか言われる。かなりの荒業である。
しかし手元で実現する方法が見当たらない。対応しているトラッカーなどが存在しないのだ。 実機で実現できたテクニックなのだから、エミュレーターでも当然できるはずで、だったら.sidファイルにも埋め込めるのではないかと思われるのだが、トラッカーレベルでDIGIのエディットに対応しているものがない。
プログラムに近いところまで落とし込めばあるいは実現可能かとも思われたが、さすがにそれだけのために一からプログラムを勉強する気にもなれず。 そもそもサウンドチップが担当する領域でないから、トラッカーが対応する日も来ないような気がする。対応してくれたらありがたいけど。
2/7
SID音源(8580)をどうやって再現しようか思案中だ。
基本部分はFurnaceというトラッカーで打ち込んでいるのだが、サウンドファイル(.sid)が出力できない。 同時にFurnaceはDeflemaskというトラッカーとファイルの互換性があって、Deflemaskのネイティブファイル(.dmf)を出力できる。
DeflemaskはFurnace登場以前、事実上のChiptune系最強トラッカーと言って差し支えないものだったんだけど、.sidを出力できる。 だからFurnaceから.dmf出力後、Deflemaskから.sidを出力して、Sid PlayerやVSID(エミュレーター「VICE」付属のプレイヤー)で再生(オーディオデータ化)というプロセスが踏める。 実際やってみた。
使えない。スピードも音も全然違う。特にSid Playerは酷いが、VSIDの再生結果も到底満足できるものではない。 トラッカー同士が完全互換ではないので、多少コマンドが端折られることくらいは覚悟していたのだが、そういうレベルじゃないっぽい。スピーディーなフレーズなど、一部音が飛ばされている。処理能が追い付いていないのか。 一応AIに聞いてみたが、Furnaceで組んだノートは、Sid Playerのようなエミュレーターより実機の方が忠実に再生できるそうだ。Sid Playerの処理落ちは、実機に近づけた故の不具合でもあるそうなのだが、このあたり短いセンテンスで説明し辛い。一言で言えば相性の問題ということ。
上記プロセスは今の環境では一番実機に近い音が出せるはずなのだが、効率が悪すぎるので断念しつつある。 Furnaceから直接オーディオレンダリング、ってのが一番現実的であるような気がしている。Furnaceが. sidを出力できないものか。次のバージョンアップとかで実装されたら良いのに。 でも結局プレイヤーのレベルが変わるわけではないので、劇的な効果は期待できないかも。
2/4
ZX Spectrumについて考えている。82年発売のイギリス製コンピューター。結構な人気機種だったらしい。私は現物を見たことも無いが。
サウンドチップは搭載されていないが、CPUによるBeep音を発することができる。基本的にON/OFFの1bit。toggleスイッチのON/OFFによるクリックノイズみたいなのを割り込ませることによって、擬似的なドラムパートを作ることもできるが、かなりの負担となるらしい(特に実機では)。
手元のトラッカーのZX Spectrumモードでは6Chが使えるようになっている。そもそもサウンドチップではないので、厳格な発音数制限みたいなものは無く、CPUの処理能力に依存するのだろうと思われるが、実機で6音の同時発音は難しいかもしれない。 一応断っておくと、6音の同時発音というのは高速切り替えによるもので、6つのオシレーターを備えているとか、そういう意味ではない。
Chiptuneを突き詰めるとこの、スピーカー発のBeepに行き着くのは必定のように思われるが、やはり言葉の定義から言ってもSound Chip経由でないものはChiptuneではない。 私は今のところそのBeepで曲を作ったことがないのだが、今後どうするかは検討中だ。私は別にSound Chip発である点に拘りはないが、要するに6Chの矩形波とかなので、掘り起こす意味があるのかどうか。
2/3
また選挙だそうだ。 私には、政治に物申したい気分は希薄なのだが、そこにある悲喜交々を物を考えるキッカケにはさせてもらっている。 物事はなるようにしかならない。 ただ、今のこの国・体制が、持続可能でないことくらい肌感覚で分かるから、どうしても動向に関心を持ってしまう。 まあ私がやるべきことは、今のこの音楽を作り続ける環境を維持することくらい。自分にできる手段は講じたいが、政治に期待することは薄い。無論有権者にも期待していない。
世界でも類を見ないくらいの借金大国であるのに、選挙に当たって、与野党ともにばら撒きアピールに余念がない。約束を守る気がそのそもあるのかも分からないし、公約違反が公職選挙法に引っかかるわけでもないから言い放題なんだろうけど、有権者ってそこまでバカなんだろうか。 私は日本人の知性をまったく信用していないが、政治家は政治家で有権者をバカだと思いすぎているように見える。
孔子の「必ずや名を正さんか」は至言だろう。 世界一の借金大国のトップが、この国のここまでのありようを「緊縮財政」と評していることや、財務省のキャリア出身の野党党首が、物価高対策とて減税を主張していることなど、私は随分と不思議な世界に生きていると思わされる。 本当にああいうことを言う人たちが、喝采をもって迎えられる世の中なのだろうか。後世の歴史家は彼らをどのように評価するのだろう。 国民への裏切りを平然とやってのける薄汚い存在として記録したりしないのだろうか。

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ホーミー(喉歌)について考えていた。 人間業と思えないような特殊な唱法だが、練習次第で誰にでもできる(とされている)らしい。 詳細についてはWikipediaでも見て欲しい。
ハルフラとかイスゲレとか言う、唱法としての種類があるらしく、それなりに奥が深い。吹奏楽器のリップトリルのように倍音部分が細かく動くような唱法もある。 ホーミーの倍音部はいわゆる自然倍音で、メロディーはアルプホルンやビューグル同様の、自由度の低いものになる。発音原理的にもそれらに似ている。
ホーミー音楽は歌唱だけでなく、馬頭琴による伴奏がしばしば付く。 馬頭琴について詳しくないが、二弦の擦弦楽器だから二胡とかに近いのだろう。チューニングも4度か5度間隔だろうと思われる。 二胡と馬頭琴は、音だけ聴いても区別できるそうだが、弦やボディーの材質に拠るのだろうか。 弦の材質ってさほどに楽器を特定付けないものだけど。ガット弦でもナイロン弦でもギターはギターだ。
ホーミー演奏は果たして音楽作品であろうか。これは難しい。 一応の展開はあるのだが、西洋音楽に比べると制約が薄く、内容としても即興性が強い。第一「作曲者」がいない。 私はホーミー音楽を作ろうとは今のところ思っていないのだが、もし作るなら即興音楽にはしないだろうから、伝統的ホーミーとは全く違うものになるだろう。


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PC Speakerについて考えている。 ある時期までのIBM PCなどのスピーカーに、ある種の指令を出すことで「楽器」として使えた。音源チップではないので、厳密にはChiptuneではないが、音はそれっぽい。要は矩形波である。
現行のWindowsでその楽器は使えず、DOSエミュレーター上で使うもの。 ただ、エンベロープとかその手のギミックはほぼ無いので(音量さえオン・オフの二段階)、今更使い込む意味があるかは微妙だ。 一応それ用のキットが配布されているようで、私は導入していないが、今後導入するかもしれない。
因みに、愛用のトラッカーにもPC Speakerモードがあるようだ。それにしてもこのPC Speakerに手を出すと、ちょっと行き着くところまで行き着いてしまった感があるな。


1/24
AtariTIAを使った曲を書いていた。なかなかにキツい制約だった。
トラッカーから直接レンダリングしたオーディオデータと、一旦asmで出力し、コンパイルしたROM(.bin)をAtari2600エミュレーターで再生したものとで、全然テンポが違う。 トラッカー上ではBase Tempo125(=50Hz)でエディットしていたんだけど、エミュレーターでは強制的にBase Tempo150(=60Hz)にされてしまうらしい。要はトラッカー上でPALとNTSCを選べるんだけど、デフォルトでPALになっている。 別にエミュレーターでどう再生されようと関係ないんだけど、それがAtari2600の仕様であるなら、それに準じたいという気分が生まれないでもない。 結局トラッカーのデータを60Hzに書き換えた。
AtariTIAの最大発音数2という制約は確かに重いのだろうが、既に発音数1というプラットフォームを試していたので、そこはさほどに感じなかった。Chiptuneの楽曲ストックが20を超えてきた。




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ザッパはShaggsを高く評価していたという。 Shaggsというバンドについては、興味ある方は調べて(聴いて)欲しいのだが、奇跡のようなグループである。 正直に言うと私は、メンバーの知能について多少疑っている。
Shaggsとザッパ音楽は「標準的でない」という意味では似ているが、内容はかけ離れている。 ザッパにShaggs様の音楽作品を書くことは可能だったろうが、逆は絶望的。そもそもShaggsに「前衛的な作品を書こう」という意識はゼロだったはずだ。Shaggsにザッパ作品は絶対に書けない。 ザッパはリスナー体質でもあったのだろうけど、影響される部分はどれだけあったろうか。 私はザッパの脳内をあれこれ想像しつつ、このテキストを打っている。 参考までに、Shaggsの動画を貼っておく。
ザッパは自身の音楽を「ジャズ」と評されることについて、明確に否定していたという。また、アドリブ演奏について、そのほとんどを「ゴミ」だと評していたそうだ。 確かにザッパの音楽はそれほどジャズ的ではない。無論クラシック的でもPOPS的でもないが。 ザッパの楽曲に「ハーモニー」は(絶無ではないが)比較的少ない。 進行などは和声的であるが、そんなに比重が置かれているとは思えない。
後年のザッパが残している「シンクラヴィア作品」というものがある。人間(人体)の演奏能力の限界を感じたのだろう。 シンクラヴィアってのは、現代でいうところのワークステーション型の音楽制作ツール。レコーダーでありシンセサイザーでありシーケンサーでありサンプラーでもある。 ザッパバンドの演奏を聴いていると、ザッパバンドが一種のブラック企業であったことは想像に難くない。ザッパが現代人であれば、もっと早い段階でシンクラヴィア作品的なアプローチに移行したのではないか。


1/13
フランク・ザッパはフィーリングのミュージシャンではない。堅牢な音楽知識に裏打ちされた音楽を作る。私はまだ聴いていないが、オーケストラのスコアも書いているらしい。
しかし代表的な曲を聴いていると、特にコード使いなど、あまり音楽的な薀蓄を披露している感じではない。 コンテンポラリー系のジャズコンポーザーのような和声使いではないということ。 ザッパ音楽の難解さは、そういう一般的な部分ではない。
ザッパはいわゆる天才なので、研究者も多く、文献の類もミュージシャンにしては多い。 あんまりハマると時間がいくらあっても足りなそう。


1/10
フランク・ザッパの音楽に、(極々僅かな例外を除いて)即興性はほぼ皆無であったという。 ザッパ本人によるスコアや、完璧に近いデモテープを元に、各プレイヤーは演奏家に徹したという。 プレイヤーに求められる演奏技術は高く、厳格なオーディションの元にメンバーは選定された上、リハーサルでのミスは解雇に直結したという。
そこまでの完璧主義者の割には作品数が多いのだが、それもそのはず。彼は曲というより「モジュール」を作っていた。 断片的なフレーズのようなもの。それを貼り合せて曲としていたのだが、曲という単位は便宜的なもので、どちらかと言うとアルバムに比重が置かれていたようだ。 因みにそのモジュールは一度きり使われるものでなく、複数の曲で同じものが確認できるという。 つまり、「組み合わせ」によって無数の曲ができる。
ライブテイクとスタジオテイクを編集で貼り合せて曲にしていた、というのは有名な話なのだが、音楽に対する捉え方の違いがよく分かる。 彼にとってツアーは「素材の収集機会」であり、スタジオリハーサルは「補完用の断片制作機会」であったそうな。 すべてをスタジオで完結させなかったのは、スタジオテイクの緊張感の無さを嫌ったためとも言われる。
リズムパートの1ショットから歌詞に至るまで、すべてを自身で担当していたというザッパ。 彼はミュージシャンというより「脚本家兼監督」で、メンバーは「役者」であった。ザッパバンド出身の「名演者」は多い。 ライブパフォーマンスは演劇で、完成品としての音楽作品は演劇でいうところの映像作品のようなものだった。
モジュール単位での制作を行っていたというが、要するに彼が作ろうとしていたものは、ライフワークとしての「一つの塊」だったろう。北斎の絵画などと似ている。 本物の芸術家だったということ。
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Atari2600の音源チップであるAtariTIAについて。最大二音、音量16段階、周波数は16段階の分周。矩形波らしきものとノイズが出せるが、本来正確な楽音を出すことも一苦労だったという、なかなかの強敵だ。 チップチューンの(少なくとも私にとっての)魅力は「制約」にある。上記のAtariTIAはその最たるものかもしれない。
コンシューマーゲーム機にBGMを担当させる、という思想が希薄だった頃の代物である。 基本的に効果音などを出すことを前提に設計されているのだが、一応周波数の制御ができるので、音楽らしきものが作れなくもない。 リアルタイムでも(かなりシンプルだが)音楽らしきものを作ろうとした形跡があり、チップチューン界隈では、かなり高度な音楽も作られているようだ。
曲の原型部分をトラッカーで作るところまでは決めているんだけど、その後のオーディオデータ化をどうするか思案中。 トラッカーから直接WAVをレンダリングすることも可能(しかも、割かし高精度)なのだが、asmで出力することもできるので、それをコンパイルしてROM(.bin)化し、エミュレーターでロードした上で(レンダリング機能なんてついてないので)キャプチャーしようかとも考えている。 後者は、確かに(不具合も含めて)本物っぽくなるんだけど、いかんせん作業効率が悪いのが引っかかるところ。
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「European Indie Music Network」って音楽情報サイトというか、オンラインマガジンに神田優花のインタビュー記事が掲載されました。記事は全文英語なのであしからず。因みに運営はイタリアのようです。
European Indie Music Network / Formula Indie Sessions _ Interview with Kanda Yuhka
SAA1099音源使った曲を書いていたんだけど、どうもノイズを使ったリズムトラックの音がおかしい。別の(今回はベース)トラックの音が干渉しているらしい。 あるパラメーターをゼロにしたらなんとか聴けるようになったんだけど、まだメカニズムをよく理解できていないようだ。 できる日が来るのだろうか。
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Raster Music TrackerでPOKEY制御前提の曲を作ってみた。SAP-Winamp(in_asap)でオーディオ化した。 結局これが正解なようだ。
SAA1099前提の曲を今作っている。これは愛用のトラッカー(Furnace)で作る。6Chフルで使おうと思っている。 今年は神田優花のChiptuneシリーズの第二弾の制作に取り掛かる予定なのだが、もうボチボチ20曲くらい上がる。全部発表するかは分からないけど、今年中に発表したいと思ってます。
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Philips社製のSAA1099について。 イギリス製のコンピューター、SAM Coupeに搭載されていた音源チップ。
矩形波6Ch、完全ステレオ音源である。 音色面での自由度は低いのだが、完全ステレオというのが当時としては珍しい。AmigaのPaulaみたいに、チャンネル毎に完全に左右どちらかに振るタイプではない。各チャンネル、左右それぞれの出力を調整することによって、柔軟なパンニングを実現する。 最大同時発音数6というのも、比較的リッチな作りではある。 SAA1099を使った曲を書いてみたいところなのだが、あれの特性を活かしたアイディアが思いつかない。
Atari800などに搭載されていたPOKEYという音源についても、年末から研究対象としていた。 4Chの、これも矩形波音源。PSGとかSN7系とかに比べ、若干の特異性がないこともないが、この違いに価値を感じることは、ほとんどマニアの領域だろう。
Raster Music Trackerというトラッカーがあり、POKEY制御のためのファイルを作ることに特化されている。 トラッカーで曲を組み、XEXやSAPといった形式でエクスポートできる。 XEXはAtari800実機で再生できる、サウンドファイルというか、ほとんどアプリケーションといって良いファイル(プログラム)である。 難点は、いわゆるレンダリングが不可能であるところ。オーディオ化の際には「録音」作業が不可欠となるので、5分の曲なら5分の実時間がかかる。パーツのようなファイルにも同様の時間がかかる上、エミュレーターにありがちなバックグラウンドで動かすことができない仕様なので、とにかく時間を食う。あとスタート地点も毎度違うものになるため、調整作業が必須となる。
SAPは一応(Winampなどの)プレイヤーで再生できるので、レンダリングに近いようなプロセスでオーディオ化できるのだが、出音は若干実機と遠くなるらしい。圧倒的に作業効率は良いので、前者とどちらを使うかは迷うところだ。
とりあえずRaster Music Trackerで1曲作ってみたのだが、一旦はXEXを使うプロセスでオーディオ化してみた。1曲なんで、少々の手間には目を瞑ったということ。しかし、スタート位置が安定しないことや、それに伴う作業効率の悪さは看過し難く、SAPを介した手法を採用する方向に傾きつつある。今後のことを考えるとその方が良いような気がする。
1/3
仕事柄、時折キュレーター・プレイリスターとか、ラジオ局関係とかに自社商品、特に新譜をピッチ(投稿)するわけだが、最近「No AI」みたいな注意書きが散見される。一部の人は、あれを嫌悪しているようだ。まあ分からんでもない。
私は楽曲制作にAIを援用しないが、それはその手法が「反則」であるから控えているわけではない。私のやりたいことがあれではやれないから使わないだけ。使いたい人は使えばいい。 商業音楽の世界など、あれで事足りる状況はしばしばあるはずだ。 ここまでAIが隆盛を見る以前から、似たような(自動作曲のような)アプローチは存在した。
私はこのAIの隆盛を、良いことだと思っている。コロナ騒動が、人物について、本物と紛い物の違いを炙り出したように、AIの登場は、人類が「芸術とは何か」を考えるきっかけになるだろう。
年末年始は音楽関係のプログラムが充実している。 私はJ-POP・日本の歌謡曲に本当に興味がなく、普段もほぼ聴かないが、職業柄まったくそれらに触れないわけにも行かず、この時期にまとめて情報収集をする。大した熱量でもなく、もっと言えば苦行に近いのだが。
90年代くらいのバンド系の音楽を聴いていると、フォーク全盛期の音楽の、フォークギターがエレキギターに代わっただけ、のようなものがまま見られる。音のニュアンスが変わるだけでも新時代を感じた人は多かったろう。しかし、思考のパラダイムについては、ほとんど変化が見られなかった。
今のJ-POPについても、音のギミックについては画期的なのかもしれないが、大半の作品において、楽曲の作りは実に浅い思考に支えられているように思えたりする。 商業音楽は芸能人のノベルティーグッズでもあるから、別に間違った方向に進んでいるわけでもないのだろうが、今のPOPSを聞く限り、音屋が「AIに取って代わられる」という危機感を抱くのも当然かと思える。 何にせよ「受けたい」という気分を断ち切れなければ物事は早晩行き詰ると思う。
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年末年始の休暇期間中、ずっとエミュレーター関係の研究に時間を費やしていた。SAM Coupe、Enterprise128、Atari800等。
比較的簡単に使えたのが、意外にもSAM Coupeのエミュレーター。最も生産台数の少ないマイナー機種であるというのに、エミュレーターの完成度は最も高いように思われた。
逆に一番苦戦した、というか、途中で匙を投げたのがEnterprise128。これはエミュレーターそのものというより、音楽制作用のアプリケーションでつまづいた。あれだけの時間をかけて解明できないというのは、プログラムの方に問題があるのだろうと判断した。
Atari800にも難儀させられた。同じプロセスを踏んでもアプリケーションがロードされる時とされない時がある。訝しんで調べたら、それは実機の挙動であるという。 実機にアナログ機器的な「揺らぎ」があり、プログラムをロードできるかどうかは運によったりするらしい。しかも実機同様に頻繁にフリーズするという。 言われてみれば過去に使ったAtari系のエミュレーターでも同様の挙動が見られた。 (無駄に)実機に忠実であるらしい。面倒なのでもっと安定したエミュレーターを使うことにした。私に、実機へのノスタルジーは無い。
上記は、ChatGPTと睨めっこしながらの作業だったわけだが、合法性を確認する暇がなかった。海外のレトロコンピューターまわりのデータ類って、実に充実しているのだが、充実し過ぎていて不安になったりする。ソフトのROM類の公開とかって、もう少し後ろめたい気分があっても良さそうなものなのだが。 AIの紹介してくるリンク先にあるものばかりなので、まあ大丈夫だろうと思うが、もう知らん。
幸い私はゲーム関係にほぼ興味がなく、その種のROMを漁ったりはしないので、それだけで無用のトラブルは避けられていると思う。 私はこの手の違法・合法に潔癖なわけではないのだが、商品化を前提としている以上、ある程度の配慮がないと周囲に迷惑をかけてしまうのだ。
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サイト、リニューアルしました。とりあえず、暫くはこんな感じで行ってみようと思います。
今年もよろしくお願いします。

