スタッフ日記[2025]
[文 / 益田(制作)]
- 10/22
北海道で鳥インフルエンザが確認されたとかで、46万羽近い鶏が殺処分されたと言う報道を目にした。 また卵が高騰したりするのだろうか。
私に疫学的な知識は無いが、全羽の殺処分まで必要なのだろうか。またコロナ騒動と同じく過剰対策でないかと疑ってしまう。 大体ウイルス感染が発覚する度に全羽皆殺しにしていたのでは、免疫・耐性を持った個体がいつまで経っても生まれないではないか。
11/19(水)、神田優花のニューシングル「Swells」が発売されます。 この先、年内にもう4タイトル発表する予定です。是非チェックしてみてください。
- 10/14
鮫とイルカは外見だけ見ると瓜二つである。 ある面に照らせば、生存上、あの形態が合理的なのだろう。 中生代にいた魚竜も見た目はイルカにソックリだ。 収斂進化の典型例で、イルカは我々人類と同じ哺乳類。鮫・魚竜はそれぞれ、魚類・爬虫類に属している。外見が似ていても知能などは隔絶している。
ある目的を同じくした場合、別の目的を異にしていたとしても、形状だけは瓜二つとなることがある。 魚竜とイルカも、同時代に存在したなら、魚竜の方が生態系上の上位のニッチを占めた時間があるかもしれない。
病に苦しむ人を救うため、「愛」を核に医の道に臨む者がいる一方、「医者は金になる」とか「医学の世界でノーベル賞級の発明をしてその権威に与りたい」と思う者がいたとして、両者の日々の研鑽作業自体は、周囲から見分けが付かぬほどに似ていたりしよう。 片やは時にSTAP細胞を発見してしまったりして、馬脚を現したりするわけだが。
諸々の問題を抱える日本人だが、ある時期、あれだけの経済発展を見せたではないか、と思われる向きもあろうと思うが、私はそれを魚竜の栄華でないかと疑っている。 別の原理を持って動いている集団が、表面上類似の態様を見せ、ある時期・ある側面において優位性を持つことは、現象としてあり得なくないからだ。 個人的には杞憂であって欲しいのだけど。 因みに魚竜は滅び、こんにちその姿を見せることはなくなった。
- 10/13
この度の自公の分裂、私は政治や選挙には詳しくないのだが、公明党の要求は到底自民党の呑めるような内容でなかったと言う。 公明党は連立解消ありきで交渉に臨んだのだろうか。
解消ありきであったかまでは分からないが、両者は袂を分かつべくして分かったとは言える。 一個人や集団の意思決定のプロセスは複雑である。 幾重にも要因が重なり合い、ある結論に至る。関係が決裂するのは、決裂しないだけの最低限の条件を欠くからで、今回の一件もその最低限の条件が維持できなかったのだろう。
自民党のような利権集団・集金機構にとって、件の要求は到底呑めないものであった。これは事実なのだろう。 私はいわゆる「裏金議員」などにさしたる問題を感じていない。一個人の背信・背徳行為、それはそれで糾弾されるべきなのだろうが、問題の本質はそこではなく、自民党と言うスキームそのものにある。 だからその条件を到底飲めない自民党には、政治の世界から退場願うしかない。 諸悪の根源であるからだ。
新しい総裁に期待する声があるようだが、私は良くも悪くも大して何も変わらないと思っている。 何故ならその人とて自民党というスキームから生まれ、這い上がってきたからだ。周りを固める人材も、末端に至るまでそのスキームが生み出した物であるから。 表面を飾る何かでなく、核にある思想について言及している。
失われた30年とかよく言われる。 いわゆるイノベーションも、世界的成功を収めるベンチャー企業も興らず、既存の産業は一部例外を除き壊滅状態。 時折起こる政府主導の産業育成政策は悉く失敗。既得権保護を事とし、(新技術などでなく)単なるアイディアであるライドシェアさえも政治によって潰される、先進国でも類を見ない腐敗した体制。 タクシー業界は票を持つが、ライドシェア業界は現時点で存在しないから票を持たない。だからして生まれる前に芽を摘まれる。
積みあがった赤字国債の発行額も、要は既得権保護の結果である。今の有権者は票を持つが、後世・将来の日本人は票を持たないから、そいつら名義のツケならいくら膨れ上がらせても構わない。 少子化の原因は単純ではないが、この体制に少子化が起こらぬはずがない。
政治の腐敗も有権者の堕落も、要は自己保身・自分の利益しか考えない者の末路である。そういう人らが形成する社会が、こんにちのように荒廃するべくして荒廃した。
人間という生き物が、生きることそのものを目的とせず、あまつさえ手段とすることなど可能なのであろうか。 可能であるに決まっている。そうでなければこんにち、人類は猿など他の哺乳動物と未分化であったろう。 生きることそのものを超えた至上の命令、それが意志であり理性であり夢である。 人類の一員と見做されながらそれを持たない日本人は、ネアンデルタール人などが滅びたように、つまりは淘汰の過程にある人モドキなのかもしれない。


広瀬沙希のニューシングル「kaii」の発売が11/12に決まりました。 詳細はまたあらためてお知らせします。
- 10/11
プロテスタンティズムや近代的資本主義が、人類の進歩を促したように、人間は自律的にモノを考えることによって成長してきた。 痛みこそが、人々にモノを考える切っ掛けを与える。
政府が金をバラ撒けば、それは税という形で国家構成員に跳ね返ってくる。だから健全な市民であれば、政治によるそういった行動を牽制する圧をかけて当然なのだが、今の日本にその圧は起こらない。何故なら現政府は、納税者にその痛みを感じさせぬよう、巧妙に赤字国債というモルヒネを打ち続けてきたから。結果政府の借金は1400兆円規模に膨れ上がったわけだが。 モルヒネは確かに効いていたが、その間にも病状は進行し続け、もはや取り返しがつかない状況に至っている。 つまり現日本人は、深刻な病魔に侵されている。 これから未曽有の痛みを味わうことになるかと思うが、これも進歩の奇貨とするしかない。
- 10/10
公明党が連立を離脱したらしい。 私は、あの党にもその母体である創価学会にも特段の好意は持っていないのだが、今回の件については「原則を貫いた」という点について、少々見直した。 大臣のポストももう要らないということなのだろうから。 さすが日蓮宗の本流とも縁を切っただけのことはある。 無論、自民党という「沈みゆく船」から逃げ出したという面はあろうが。
それにしても自民党は公明党を見くびったな。 言われている「政治と金の問題」。それ自体は彼らがやらかした(現在進行でやらかしている)悪事の中では実に些末なことと言えるが、それすら有耶無耶にするつもりだったのに、そうは問屋が卸さなかった。 公明党には「お前らも一味だろ?大臣のポスト(利権)にもありつているじゃないか」という気分で高をくくっていたのだろうが。 我々は今、滅びゆく者の醜態をまざまざと見せつけられている。
これから一層政治は混沌とするだろう。 自民党が単独で過半数を回復することなどは、少なくとも私が生きているうちには無さそうに思える。それどころか、自民党は崩壊するかもしれない。 あのような利権・金権集団には、「政権」という旨味があればこそ群がってくる何事かが絶えないわけで、それがなければ原理上、坂を転がるような衰勢をたどるに違いない。 無論あれほどの大所帯なのだから、綺麗サッパリ雲散霧消するなんてことはあり得ないが、老舗の泡沫政党(例えば共産党のような)として細々とやっていくことになるかもしれない。 あるいは大政奉還後の徳川宗家のように、一諸侯としての政治参加こそ許されぬものの、一定の権威として遇されるような存在になるか。
自民党の新総裁は、最後の将軍徳川慶喜になるかもしれない。 江戸末期、衰え行く徳川幕府にあって周囲の嘱望を集めた彼こそが、幕府に引導を渡すことになった。
政権を取って代われるような野党が見当たらないのが多少気になるが、それも大した問題ではないのかもしれない。 あれほど「攘夷」で時の政権に揺さぶりをかけていた幕末の志士らによって作られた明治新政府が、それまでの言を忘れたように開国路線を採った。 当時攘夷が不可能であったように、誰が政権の座に就こうが、今の日本の状況で減税と物価高対策を同時進行させるような奇術のようなことが可能であるはずはなく、どのみち緊縮かインフレによる債務踏み倒しに進むしかなくなる。 それにしても、その「来るべき日」の被害をこれ以上深刻化させないように、自民党という政党には、政治の世界から退場してもらうしかない。
- 10/7
AIの作曲機能はもう実用レベルに達しているようだ。普通に商業音楽と区別が付かない。 実は自動作曲のようなプログラムは数十年前から存在するのだけど、カスタマイズの自由度といい、現行のものは一つの完成形と言える。
地下アイドルとかの企画をやっている比較的小規模の事務所さんなんかにとって、音楽(オリジナル楽曲)はとりあえず必需品である。 だからそういうところから仕事を貰っている音屋は昔からいて、私の知り合いにもいる。 ところが最近、その手の仕事もなくなりつつあるようだ。 無論AIが代替しているから。
「音楽クリエイター(AIで作曲ができる人)募集」みたいな求人を見かけた。 AI使うなら事務所の社長やスタッフが適当に作れば良いのだけど、それすら面倒なのか。 AIを駆使してトラックを作るような、新手のタイプの音屋が今後出てくるだろうか。それにしても絶対数はかなり減るだろう。生産効率が違いすぎる。
私というか、ウチはそっち関係に今後も深入りすることはなさそう。 効率や品質は認めつつも、私のやりたいことはそういう工業製品としての音楽制作ではないからだ。 私は音楽作品を作るのが楽しい。楽しいことにしか興味が無い。

- 10/3
スーパーカセットビジョンの音源部(uPD1771C)を再現したというプラグインシンセが存在することを、ごく最近知った。 知らなかったというか、その辺りに全く調べを入れていなかった。
以前SID音源の完全再現を謳うプラグインシンセがあったのだが、期待外れだったという経験があった。 ファミコン音源系のプラグインとかも、納得行った試しがない。 音の再現度が低いというより、私の求める何かを持っていない。 これは音ではないのかもしれない。
例えば音源チップの発する音を完璧にサンプリングしたとして、単音だけ聞けば区別が付かないかもしれないが、曲を作るとなると発音メカニズムの違いはきっと響いてくる。 私はサンプリング技術にケチを付けているわけではない(波形メモリー音源とサンプリング音源に技術的垣根はない)のだが、求める何かを具備していないことだけは、聴けば感覚的に分かってしまう。
上記のプラグイン、試用版を入れてみたのだが、予想通り。 スーパーカセットビジョン音源系のプリセットを聴いてみたのだが、実にギミックフル・派手で、正直「どこがスーパーカセットビジョンだよ」と思ってしまった。多分あの音で作った曲を聞かせて、スーパーカセットビジョンを想起・懐古する人は絶無だろう。
再現精度が甘いわけではないのだろう(余計なものを加え過ぎているきらいは感じるが)。むしろ、下手に音源の持つポテンシャルを最大限活かし過ぎて、プリセットの音がリアルタイムのスーパーカセットビジョンのソフトで使われていた音・音楽とかけ離れてしまっているのではないか。 良い悪いの話ではなく、私の求める何かが存在していない。