スタッフ日記[2025]
[文 / 益田(制作)]
- 1/19
NECのPC-88シリーズとか、そのあたりのサウンドを再現しようと思っていたのだが、壁にぶつかった。 メモリーの制限という、仕様上の限界なので、今後のアップデートに期待したい。 多分MMLに不具合は無いはず。
それ用の楽曲制作ツールがフリーで公開されている。 厳密に言うと、元々有料ソフトだったものがフリー化された。 PC-88シリーズ用のソフトだったものの(実機あるいはエミュレーター用)ディスクイメージとWindows用にカスタマイズされたもの、の二つの形で公開されている。 私は無論Windows用と使っているのだが、あくまでゲームサウンド用のツールらしく、データ量の制限がシビアだ。おそらく十数小節(のループ)とか、その程度のトラックを想定している。 POPSのオケなどを作ることを前提としていないらしい。私の作るトラックなんてPOPSとしては短いものばかりに違いないのに、データ制限に引っかかってアプリごと落ちる。
昔はNSF(ファミコン用サウンドファイル)のコンパイラにもその手の制限はあって、レジスタとかの調整で回避したり、それでも限界がある場合は曲を何分割かにして作ったオーディオファイルをDAWで結合したりという、涙ぐましい努力をした。NSF関係については、今はもうそういう不具合はほとんど解消されている。ユーザーの絶対数が多いと、何もかもこういう風に行き届いてくれて助かる。 上記ツールについては、そこが現時点で解消されていないのだけど、如何にも多くの人がぶつかりそうな壁なので、今後の新バージョンで改正されるのではないかと思うのだけど。
- 1/15
私が今取り掛かっている作業を何と呼べば良いのだろう。 レトロPCなどに準拠したサウンドファイルの生成。それを元(オケ)にした歌物。 サウンドチップを経由しているのだから、広い意味でのチップチューンに含まれるのだろうか。
チップチューンと言われて多くが連想するような、矩形波だとかノイズだとか、そういうタイプのサウンドではない。 メインはFMなのでもう少し生楽器に寄せたサウンドを連想されたい(全然違うけど)。 FM TOWNSなんかはPCMのパートの方が多いくらいなので、90年代以降くらいのDTMサウンドに(原理的には)近かったりする。
チップチューン系のトラック制作の難点に、トラック数(最大同時発音数)の少なさがある。 今作っているプラットフォームは、FM6音、SSG(PSGと思って差し支えない)3音、あとはリズム(PCM)とADPCM(ポン出しのサンプラーみたいなもの)。 楽音としては9音程度。うち3音は基本的に矩形波で、音色面での自由度はほぼ無い。 これでPOPS(和声音楽)を作るのには、少々工夫がいる。 この工夫が面白いわけだが。
やりたいことが山積している。 ある時代のアーケードゲームに採用されていたようなウェーブテーブル音源を使った曲だとか、2オペのFMとか。 それらを気が済むまでやったらモジュラー式のアナログシンセとかも弄ってみたい。本物のアナログは面倒なので、モデリング物で良いんだけど。
- 1/14
今、日本の芸能界が性関係のトラブルで揺れているらしい。 私はテレビ自体は見ないが、ネットにそれ関係のニュースが溢れている。 ここ最近だけで大物タレント絡みの事件が二つも話題になっている。 そのうちの一つはさる大物コメディアンについてのものなのだが、私はその人について前から気になっていた。 ファンとかいうほど執心してはないが、「面白い」と思っていたからだ。 昔は番組もよく見た。
もう随分前だが、たまたまその人のテレビでのトークがYoutubeに上がっているのを目にしたのだが、直感的に「危うさ」を感じた。 何故なら面白くなくなっていたから。 面白くない(相応の能力がない)のに、面白い人のポジションだけを与えられるのは危険である。 古くは位打ちの習慣などがあったように、企業価値不相応の株価は暴落しやすい。 その人については、なまじ以前は面白かっただけに、周囲が損切りのタイミングを逸したようだ。やむを得ない話だ。
その人は上の番組内で「過去に(別の番組で喋って)ウケた自身のエピソード」を繰り返していた。 面白かった頃の自分が話していたこと、を模倣していたということ。 そういえばピカソが「他人を模写するのは必要なことである。しかし、自分を模写するのは哀れなものだ」と言っていた。
才能の正体とは「何かを面白がれる能力」のことである。 この宇宙に絶対的に面白い事物が存在しているのではなく、それを面白いと感じた誰かの心が存在するだけである。 だからして、あることを「面白い」と感じられなくなったのなら、そのコメディアンは終わりである。
その前に、どうしてその人は過去そんなにも面白かったのか。 彼の幼少期の体験談などを聞いていてしばしば感じたのだが、私がその境遇にいたら傷付いていたろう。何と強靭な御仁かと、過去羨望すらした。 その人の繊細さにも因るのかもしれないが、それほどにその(幼少期の彼の)境遇は苛烈であるように思えた。
ニーチェの言葉に「笑いとは、地球上で一番苦しんでいる動物が発明したものである」というのがある。 今の私は、これが真実なのではないかと疑っている。 つまり、その人は傷付かない強靭な精神の持ち主なのではなく、実は傷付いていた。 その傷を癒すため、笑いに代えるという代償的発達を起こしたのではないか。
そしてその後、その「笑い」の能力によって立身した彼にとって、日常は苛烈なものでなくなった。 代償発達部位の必然性の消滅によって、彼は普通人になっていったのかもしれない。 面白さ(才能)の消滅によって、それまでその才能で掻き消されていた醜悪な部分のみが残った、というのがその事件の正体なのかもしれない。 評する世間はその機序を理解しているわけではなかろうが、資格無き者の放蕩を容認してはくれないようだ。
盲人の聴覚は異常発達するが、今後医療の発展などによって、盲人が視覚を取り戻すことができたなら、その鋭敏な聴覚は失われるかもしれない。
- 1/8
年末年始の休みの間、体調崩していたんだけど、小康を得た後、また曲作りに入っている。 久々に徹夜なんてしてしまったのだが、今後は極力控えるようにしよう。
FM TOWNSのサウンドファイルであるEUPを作っていた。 6ChのFM音源と8ChのPCMをミックスする形で、最大同時発音数14。 PCMは要するにサンプラーなのだから、自作でも何でも行けるわけだが、プリセットのようなファイルがあって、それを最優先で使いたいと思っている。 私が音作りをしない音屋だってのもあるが、それこそがその機種の滋味であるに違いないから。
FM TOWNSのアプリケーションでMMLをEUPにコンパイルする流れになる。 そしてそのMML、少々方言がキツくて困らされた。 今はある程度作業の流れが確立している。EUPの習作も一つできた。
マギノビとかいう韓国製のオンラインゲームがあるらしいのだが、それがゲーム内で自作曲を披露するような内容で、それ用の作曲補助ツールがいくつか出ている。 MMLベースなので、今回それが非常に役に立った。 因みに私はそのマギノビをやったことがない。プレイ画面すら見たことがない。
しかしChatGPTに面倒なコードを書かせようと思ったのだが、ミスが多くて使えなかった。 私が使っているものがフリー版だからなのか。 有料版だともっと精度が高いのだろうか。 フリー版は現状使えない。
- 1/7
更新間隔がまた空いてしまった。 年末年始にかけて体調崩しておりました。 今も全快ではないけど。