Staff diary  
業務日誌[2007]

[文 / 益田(制作)]

3/31(土)

月刊Audition(白夜書房)5月号(正式な発売日は4/1だと思うのだが,既に書店には並んでいる)にうちのオーディション情報が掲載されています. オーディション誌では今年初めての募集告知になりますね.たくさんのご応募お待ちしてます.

今週のリハーサル風景. 片飛鳥,新曲の最終チェックでした.来週歌録りになります.

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3/30(金)

広瀬沙希,新しい曲の歌録りでした. 私は寝不足でキツかったのですが,とりあえず無事に録り終えました.

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その他,今週のスタジオでのカット. 桜がついニ・三日前に咲き始めたと思っていたら,何だかもう葉桜になってますね.

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3/29(木)

神田優花の「clouds」の2トラック入りプロモ盤を販売(通販)開始しました. モノ自体は「clouds」の歌録りが終わった後,去年の11月ぐらいに出来ていたものなのですが,基本的に営業用の資料だったので,HPなんかでは公開してませんでした. とりあえずバラ撒く機会が無くなったので,残りの在庫を販売しています.この「clouds」,次のアルバムに収録の予定です.

通販用ページ


3/28(水)

Dana platoという女優の事を,ここ数日間考え込んでいた. 以下,まず彼女の略歴を.1964年生まれ.「Diff'rent Strokes(1978〜)」というアメリカのホームドラマ(超が付くほどの人気コメディー)に子役として起用され,人気は絶頂を極める.ピーク時は一話出演につきギャラ10万ドルと言われたが,その後番組(「Diff'rent Strokes」)放送期間中に妊娠が発覚,レギュラーを降ろされる.一旦は結婚し一児をもうけるも僅か一年で離婚.アルコール・ドラッグ問題を度々引き起こす(14歳の頃から常習していた)中,女優としての仕事は徐々に無くなり,豊胸手術後,1989年に雑誌「PLAY BOY」でヌードモデルになる.その後ポルノ映画にも出演,強盗や処方箋の偽造などで逮捕・服役の後,1999年,恋人の母親の自宅近くで車の中から遺体で発見される.死因は薬物の過剰摂取,自殺とも言われる.満34歳没.

元人気子役のショッキングな死として,当時アメリカでは大変に話題になったそうな. きっと晩年の彼女には人生におけるあらゆる事が面白くなく感じられただろう.裸になったり,ドラッグを大量に服用すれば新しい何かに出逢えるような気がしたのだろうか. 今更ながら「自分を救えるのは自分しかいない」という当たり前のことに,私は改めて気付かされてしまう.彼女に足りなかったのは,お金でも異性でも幸福でもなく,単に想像力である. 自分の内にあるべき想像力が欠けていたからこそ,外からの刺激を過度に欲したのかもしれない.

アメリカでは,彼女の死を悼むファンらの手によるファンサイトの類が,今もいくつか存在している.未だに在りし日のDana platoを偲ぶファンは絶えないわけだが,晩年の彼女には仕事が無かったという.何故なのか. それはファン達は輝いていた頃のDana platoが好きなのであって,生身のDana platoという生き物自体をそれほど愛していたわけでは無いからである. これは単なる容色の衰え云々という話では無い.ファンが感じたであろうその光彩は,おそらく若かりし頃の彼女の感受性に由来していた筈である. 番組放送中に妊娠してしまった彼女にとっては,もう俳優業など然程魅力を感じられる対象でもなく,どうでも良くなりかけていたのかもしれない.無論,晩年については言うまでも無く,彼女の中の想像力という光源は衰え続けていたろう.不謹慎ながら,ひょっとするとファンにとっては,彼女がジェームス・ディーンのように,絶頂期に人生を終えてくれた方がまだ嬉しかったのではないか. Dana platoの縮刷版みたいな人生を送っている人は,今の日本にもたくさんいるような気がする.

事件を起こす度に,そのネームバリューによって報道され続けたDana platoだが,その一方,トピックスとしての価値が無い情報,彼女の「日常生活」については正確に知る由も無い.なので私の推測ではあるが,おそらく晩年の彼女は,刺激を求めてかなり色々なもの(酒や薬以外にも)に手を出していたに違いない. 更には死ぬ間際,彼女はもしかしたら昔を懐かしんだかもしれない.あるいはその当時に戻りたいと考えたかもしれない.しかし,その時点で毎日を楽しむ感受性を失ってしまっている者,いわば「今を楽しめない人間」が,過去のある時点に仮に戻れたとして,そんな精神のまま当時と同じ気持ちで日々を愛せる筈も無く. そういうのは往々にして「楽しかった」という言葉を記号として反芻しているだけで,心の震えまでありありと覚えているわけではないのである.

「想像力」は人間が持ちうる最大の資産である.そしてそれは外からの直截的な刺激などでは容易に補えない.「楽しさ」は感じさせてもらうものではなく,自ら感じるものに他ならないから. 晩年のDana platoの日々は,いわば「自分探しの旅」だったのかもしれないのだが,普段の生活の中で見つからない「自分」が,どんな旅に出たら見つかるんだろうか. どこに行っても見つからないと私は思う.


3/27(火)

いわゆる「振り込め詐欺」やマネーロンダリング・テロ関連資金などへの対策らしいが,銀行における各種サービスの利用限度額がかなりシビアに設定され出していて,特にATMなどは一回の振込限度額が現金で10万円以内とのこと. ご時世と言われてしまえばそうなのかもしれないが,ハッキリ言って不便である.ウチも早速業務に支障が出だしているのだが,我々程度の規模の会社が支障を来しているくらいだから,不都合の生じない企業など存在しないような気がする. こういうの,これからもうるさくなる一方なんだろうか.


3/25(日)

影山リサ,新曲「LUCKY STAR」の制作に入ってます. 以下,先週のリハーサル風景をUP.

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今回のこの「LUCKY STAR」という曲について. アレンジは全面的に80年代風のFMサウンドに仕上げてまして,生楽器は一切使用してません. ちょっと前にその手の音(80年代風FMサウンド)を全面的にフィーチャーしたアーティストを作りたいと思っていたのですが,その時試しに作ってみた曲です. 歌録りは早くても来月末くらいにはなりますな.


3/24(土)

神田優花,新曲の制作に入ってます. 今度の曲は10年以上前にその原形を作っていた代物で,この度レコーディングする事にはなりましたが,音源化などについては全く未定です.時間があるから録ってみようと思い立ったのですが,次のアルバムにも入らないかもしれません. 以下,今週のスタジオでのカット.

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3/23(金)

今週スタジオで撮った写真.

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3/21(水)

今,業務メニューに新しいサービスを加えることを検討している. まあ,CD盤面やケース(ジャケット)の仕様面でのメニューを増やそうと思っているだけで,はっきり言って大したことでは無いのだが,ウチの規模ではこの程度の事でも右往左往してしまう. 今日もその件に関するリサーチだけで一日が終わりそうな勢いです.


3/19(月)

来月の話になりますが,4/10(火),影山リサが「かつしかFM(78.9MHz)」の番組に出演します. 放送内容は,インターネットを介して全国から聴取できるそうなので,お暇な方は是非聴いてみて下さい. その他詳細はInfoのページをご覧下さい.


3/17(土)

影山リサ.今週のスタジオでのカットをUP.

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神田優花. ついこの間新曲録ったばかりなんですが,来週辺りからまた次の曲の制作に入る予定です.下は今週のリハーサル風景.

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3/16(金)

今週のリハーサル風景.

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3/14(水)

昨日送られてきた,iTunesの新サービス「コンプリート・マイ・アルバム(CMA)」についての案内に目を通してみた. その資料曰く,CMAとは要するに,「iTSで単曲を購入をしたユーザーが,その楽曲を含むアルバムを 後から購入する際に,既に購入した単曲分の金額を差し引いた差分を支払い,音楽ファイルを差 分ダウンロード出来る(先に購入した楽曲を2度購入しなくて済む)サービス」との事らしい. 早い話が販促用の企画なのでしょうが,恒久的なシステムになるっぽい.まあ整えて然るべき体制かとは思います.

前々から思っていたのだが,音楽コンテンツの販売方法が配信メインになってしまうと,ユーザーが1曲単位で音楽を購入出来てしまう以上,アルバムという括りの意味が薄くなってしまう. それどころか,パッケージ時代,ある面では「手の抜きどころ」であったシングルのカップリング曲などは,今のような調子で作っていたらまず売れなくなるだろう.そもそもカップリング曲という抱き合わせ商品が,EP(シングルレコード)におけるB面の名残に過ぎない.売れないならそんなもの自体無くなってしまうかもしれない.現に配信の際,カップリング無し(タイトル曲のみ)でリリースしているタイトルも既に存在する. また,今まで乱造されてきた(一部のメーカーにとっては主力商品と言っていい)ベスト盤やシングルコレクションみたいな安直な企画物は,更に売れなくなるに違いない. 消費者にとっては,今まで千円ぐらい出して買っていたシングルを\150やそこらで調達できることになるし,ベストは買わないで済むことになる.ユーザーの可処分所得が一定だとして,その「カップリング曲を買わない」あるいは「同一曲を複数回購入しなくて済む事」によって浮いたお金が,「他の数多くの楽曲を聴くこと」に回るならめでたい事だが,そう甘くないような気もする. まあ暗い観測ばかり述べているようだが,配信がメインになれば,作品をリリースするに当たってのハードル自体は低く設定できる(低予算で出せる)し,パッケージでいうところの流通期間もそんなに気にする必要が無い(事実,iTSなどでは流通期間という制限が無く,事実上「廃盤」が存在しない)のだから,音屋・作家にとっては悪いことばかりでは無いのである.


3/12(月)

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影山リサ.先々週,初めてレコーディングした曲「Neverland」のチェックを兼ねてスタジオ入り.以下,そのサンプルをUP. もう何曲か録ったら音源も発表していきます.

Neverland」(MP3/0:45)


3/11(日)

下は先週のリハーサルでの一コマ. 広瀬沙希,新しい曲の制作に入っています.

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3/10(土)

神田優花,スタジオ入り. 先週録った新曲の仕上がりをチェックしてました.

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ついでにその新曲「Goddess」のサンプルをUP.リリースなんかは未定です.次のアルバムには収録されると思いますが.

Goddess」(MP3/0:45)


3/9(金)

今週のスタジオ風景.

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3/8(木)

今日は午後から打合せで外に出た.ついでにロケハンを兼ねて歩き回ったのだが,ちょっと面白そうな場所を見つけたりしてそれなりに収穫があった.そういえば最近撮影(特にロケ)やってませんな.


3/7(水)

ここ何日か編集作業漬けである.耳が痛くなるほど人の歌を繰り返し聴いていて,あらためて思ったのだが,やはり歌は精神の舞台である. 精神を表現するための縁(よすが)として音楽,あるいは絵や文章などがある筈なのだが,世の中には精神の重量を感じさせない,あるいは精神が全く宿っていない表現があったりする. 託すべき精神が存在せず,ただ声だけが響いている,というのは額縁に入ったキャンバスに何も描かれていないようなもので,どんなに音程やリズムが正確であろうと,それは額縁やキャンバスが上等であるに過ぎない. 一般的に人がそういう歌をどのように評価するかは知らないが,どうやら私はその手のものにあまり惹かれないようである.


3/5(月)

とりあえず週末は休ませて貰った.お陰で今週はアタマから週末まで予定がビッシリ詰まってまして,今日も休む暇が無さそうです.

先月から「MOOCS」にて無料ダウンロードのキャンペーンをやらせてもらっているのだが,その事は既に何度か触れた. その「MOOCS」のトップページに無料ダウンロードのコーナーの入り口があって,対象楽曲が三曲ほど画像で表示されているのだが,うちのアイテムもトップで扱ってもらえないものかと思っていたら,どうやら扱われている模様.ニフティさん,よかったら「RACHEL」の方もお願いします.


3/3(土)

神田優花,新曲のレコーディング. 以下,その歌録りの模様.今回のレコーディングは,思っていたより順調に進んだので,予定より随分早く終わりました.

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影山リサも歌録りでした.初めてのレコーディングだったので,まだ勝手の分からないこともあったみたいですが,とりあえずなんとか必要なテイクは録り終えました.

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3/2(金)

下は今週のスタジオでのカット. 毎度週末は忙しいのだが,今日は特に時間が無い. 来週もアタマから予定が詰まってまして,どうもここしばらく多忙な日々が続きそうです.

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3/1(木)

最近ライター志望の人からの問い合わせが多い.ウチは常に優秀なソングライターを求めているので,有難い事ではあります.以下,ライターについて.

一応は私もライターの端くれなので分かるのですが,本当に曲の需要って少ない.ウチもライターの募集自体はしてますが,十分に仕事が宛がえるかどうかというのは別の次元の問題である.基本的に能力主義の世界なので,指名が入るようにならないとなかなかコンスタントに仕事は貰えない.また,コンスタントに貰えるようになったとしても「儲かるか」と問われれば微妙なところである. そもそもライターとは儲かる仕事なんだろうか.

印税の算出例を出してみる.例えば,2000枚刷られるシングルCDの曲を一つ書いたとして,ライターはいくら貰えるか. シングルといってもここ最近は大抵マキシなので,収録曲2曲ということはあまり無い.大体3〜4曲くらいか. 著作権印税は販売価格の6%,それを収録曲(仮に4とする)で割る.更に作詞者・作曲者・音楽出版社(こういうものがあって,普通手数料を取られる)の三者で割る.この配分率は無論合意内容によって異なるが,25%・25%・50%あるいは33%・33%・34%あたりが一般的である(ここでは前者で式を出してみる).更にはジャケット控除とか言う奴を15%ぐらい取られたりするので,ますます印税は削られる. 定価¥1,000のCDだと,1000÷4×0.06×0.025×0.85=3.1875.ライターには一枚あたり¥3.1875の取り分があるわけだ.2000枚出たとして¥6,375(面倒なのでJASRAC・コーディネーター等の手数料は無視して計算させてもらった).10倍(2万枚)出たとしても¥63,750. 因みに,2000枚というのがどれぐらいの枚数かと申しますと,オリコンの週間チャートで誌面に掲載されるのは100位まで,週によって多少変動するものの,100位のタイトルで実売1800枚チョイぐらいか.一週間で2000枚捌ければ優に100位以内にランクインする.それでたった¥6,375. 一応これに二次使用料などの収入も発生するわけだが,そもそもヒットしてもない曲の二次使用料など無いに等しい. ついでに,一週間に2万枚出れば確実に10位以内に入る(上手く行けば5位ぐらいになるかも).ベストテンにランクインするタイトルなら,ほぼ全ての民放において何らかの形では触れられるに違いない.アーティストはちょっとした有名人になる.それでもライターの取り分はたった¥63,750. ライターは,一曲一万円で毎度買い取ってもらった方がよっぽど金にはなるかもしれない.

しかし,一般的に売れないCDなんて,大抵のケースにおいては赤字な筈だが,採算が取れない商品においてもライターの取り分はとりあえず印税という形で保証されるわけで,ある意味では制度上優遇されていると言えなくもない.ものは考えようである.

結局,上の話は何を言わんとしているかというと,早い話が「音楽はそんなに儲かる仕事ではないので,好きな人がやるものだ」ということ.現在進行形で音楽ソフトは売れなくなっているし,将来的な明るい兆しもあまり無さそうで,要は今後ますます儲からなくなるのである.

余談だが,世の作家さん達は,皆バカ正直に印税だけ貰って暮らしているわけではない. まことに様々な手練手管があるようだが,この辺りは別の機会にでも触れるとする.


2/28(水)

手元にあるシンセ類に琵琶の音色が無くて困っている. 三味線のピッチを下げたら近い音になるような気がするのだが,どうなんだろう.構造的には似ている筈なのだが,どうもしっくり来ない. というのも,何を隠そう私は本物の琵琶を(実家に)所有している.なまじ本物を知っているだけに微妙な音のニュアンスの違いが気になってしまうのかもしれない.


2/27(火)

ウチはここ最近,あんまり作品(新作)を公開していない. 音自体は以前と変わらないペースで録っているのですが,要するにリリースしていないわけです(理由は色々とあるので,また別の機会にでも触れたい). 一応の計画としては,年末あたりからリリースタイトルを多少増やす予定なのですが,この辺もどうなるかまだよく分かりません.


2/23(金)

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神田優花,新曲の最終チェックしてました.来週から歌録りに入ります. 下はその他,今週のスタジオでのカット(写真は影山リサ).

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2/22(木)

excite music store」にて,神田優花の2タイトルと鈴木サヤカの7タイトルが販売開始されています. 去年その上記9タイトルを,国内の主要音楽ダウンロードサイトにて発売したのですが,何らかの事務処理上の手違いがあったらしく,excite music storeでは今頃になって販売開始されることになってしまいました. なので,今更の感もありますが,一応ここでもお知らせしている次第です. ついでに,「Excite Music Store on BIGLOBE」というexiciteの提携サイトなんかでも売られているとの事.日頃これらのサイトを利用されてる方なんかがいましたら,是非落としてみて下さい.


2/20(火)

最近雅楽の勉強をしているのだが,これも拘り出すと奥が深そうである. 基本的に和声音楽や厳密な意味での調性音楽では無く,要するに旋法みたいですね. しかし,どうみても現行のシンセ(PCM音源)類って雅楽器の音色充実してませんね.試しに作ってみようにも,音が無かったりする.実際に雅楽器を買い揃えるわけにも行かないし,揃えても演奏出来ない. それ系のVSTとかサウンドフォントとか存在しているのだろうか.知ってる人がいたら教えて欲しい. 今回の文章が何を言ってるのか全く分からなかった人,ごめんなさい.


2/19(月)

人はいつから大人(悪い意味での)になるのだろう.私は暇さえあればこういう他愛も無いことを考えてしまうのだが,ここで言う「大人」とは肉体的な意味ではなく,精神を指している. 人間の精神の中にある「コドモ」の部分を侵食してしまうのは,ひょっとして「お金」ではないのだろうか.お金と言っても貨幣そのものではなく,概念としての「カネ」である. 平均的な人間にとって,損得勘定を抜きに生きて行くことなどまず不可能と言っていい.無論私も含めて. ラーメンとステーキ,どちらを食べたいかと問われた時,それらの味だけを純粋に比較して,単純に自分の好みに合う方を選べる人は意外と少ない.「ステーキの方が旨いけど,安いからラーメンを食べよう」などと思ってしまったりする.逆にラーメンの方が好きな筈なのに,単に「高価である」という理由だけでステーキの方を有難がってしまったりもする. それが人間にとって不幸な事なのかは私には分からないが.

画家や音楽家が,「○○円儲けるためにこの作品を仕上げよう」なんて思いながら創作を行なう筈ありませんね.作りたいから作るだけでしょう.あるいは創作とは,そういう雑念との戦いという側面もあるのかもしれない. 斯く言う私は,日々カネの事を考えている.残念な事に,今の私が音楽活動を継続しようと真面目に考えたら,そこに思いを至らせないわけには行かない. ついでながら,「子供のような純真さ」は,「カネ勘定を真剣にしない不誠実さ」と似ているようで違う.また,単なる「幼稚さ」とも違うようである.

私の好きなアーティスト(表現者)には,ある共通点がある事に最近気付いた.それはその人が「子供」な事である. 私は,子供の心を濃厚に残している人が好きなのである. 当たり前の話だが,普通誰だって子供の頃は子供である.大人になるにつれ,大抵の人は心の中にある子供の部分が蝕まれてしまう. 稀にだが,大人になっても子供の心を濃厚に残している人もいる.しかし人脂に塗れながら「子供の心」を残し続けるというのは,普通人にとって生半な作業ではない.だから私は,子供の心を持ち続けている人たちに敬意を抱いてしまうし,同時にあんまりお金が好きな人は創作に向かないような気がしてしまう.


2/18(日)

神田優花,先週のリハーサル風景をUP.

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下は影山リサ. 影山リサは近い内(多分来月くらい)にレコーディングに入る予定です.

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2/17(土)

音楽コンテンツのダウンロード販売についての雑感. それにしても随分市民権を得たもんだと. 我々はこの音楽配信ビジネス,一応黎明期から携わっているのだが,はっきり言ってスタート当初はユーザーの数が絶対的に不足していた. 当たり前の話ではあるが,全く新しい形態の商売だったので,潜在的なニーズを当て込んだだけの見切り発車にならざるを得ず,いわば畑がそれ以前に存在していなかったのである. だからしてこれまた当然ながら,コンテンツを発表してもほとんど売れなかった(当時は諸事情あって,メニューが充実していなかったという理由もある).

無論今もそんなにバカ売れしているわけではない.しかし,大したプロモーションもしていないようなウチの音が,少しずつではあるものの,毎月のように落とされていたりするのを目の当たりにすると,ユーザーの裾野が広がってきているという実感は禁じえない(勿論,物が売れる理由はそれだけでは無いのだろうが).時代は確実に変わってきているのである. 前々から言われ続けている事なのですが,本当にいずれは音楽配信が,現行のパッケージ販売をシェアにおいて追い越すでしょう.それもわりと近い将来. 


2/16(金)

下は今週のスタジオで撮った写真.時間が無いのでコメントは無し.週末は忙しいのです.

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2/15(木)

私のとある知り合い,ここでは仮にAさんとする. Aさんは非常に有能な御仁で,育ちも良いらしく常識があり,学歴もあり,基礎的な教養がしっかりしていて,さらには細かなスキルも十二分に持ち合わせていた.上場企業のエリートサラリーマンが過不足無く務まるような人物で,無論身体的にも何ら不具合など無い人である. しかし不思議な事に,Aさんは身の回りの色々なことがあまり上手く行っていないようで,日々心がささくれ立っているような印象だった. 何故なのか.物事が上手く行かない個別の理由など私には分からない.しかしAさんには決定的に欠けているものがあるように見えた.それは「明るさ」である. Aさんはよく,自分の将来に不安要素を見出しては悲嘆に暮れていたのだが,困った事に物事は,悲観的に捉えようと思えば際限無くなってしまうのである.

高杉晋作は辞世に「おもしろきこともなき世をおもしろく」(助詞に異説もあるようだが,ここでは触れない)と詠んでいますが,良い句ですね. これに,ある尼さんが下の句を付けたと言われているのですが,彼の意思をよく汲んでやっています.この時代の人達がごく自然に共有していた気分なのかもしれませんね.

気分って伝染するものです. マジックジョンソンが「自分の周りをエネルギーで溢れ,しっかりした考えを持っている人で固めなさい.自分の周りを野心に溢れプラス思考の人で固めなさい」なんて言っているのですが,気持ちはよく分かります. 沈んだ空気の中にいると,自分の気も滅入ってくるような気がするので,せめて日々働いている現場くらいは明るくあって欲しい.私は会社が儲かるよりも職場が楽しい方が好きです. 今私が日々顔を合わせる人たちは,皆希望を持って毎日を生きているようで,とても明るい.お陰で私も何となく楽しい気分を共有させてもらっている.こういう気分の中にいるだけで,いつか物凄く良い事を思いつきそうな気がしてしまう. 多分,成功とか新しい思想とか偉大な人とか,そういう何事かが生まれてくる場所というのも,きっと明るいところでしょう.


2/14(水)

先週に引き続き「MOOCS」にて,無料ダウンロードが開始されました. 今回は神田優花「RACHEL」(詳しくはInfo参照). 「RACHEL」は,2006年の7月に音楽ダウンロードサービス「Music Deli」でリリースした作品です. 「RACHEL」現在配信限定で発売中の「special selections」に収録,各国のiTMSをはじめ,国内の主要音楽ダウンロードサイト(PC・携帯電話用)で販売されています.神田優花の次のアルバムにも収録予定の楽曲です.まだお持ちで無い方は是非チェックしてみて下さい.


2/13(火)

ちょっと時間があったので,久しぶりにピアノ曲を弾いてみようと思ったのだが,激しく指が鈍っていて驚いた. そういえばここ何年か(下手したら十年ぐらい)は,せいぜい歌物のPOPSのバッキングをキーボードで弾く程度にしか鍵盤を扱ってなかったような気がする(まあ元々大した腕でも無いのだが). しかし楽器というものは,本当に常に扱ってないと演奏技術を全く維持できませんな.まあ当然の事ではありますが.


2/10(土)

「MOOCS」(ニフティ)はPanasonicさんと提携しているそうで,MOOCS内にはPanasonic製のSDプレイヤー「D-snap」のキャンペーン用特設ページなどもあったりする. また「D-snap」等には,一種のマニュアルとして「MOOCSを使おう!」というチラシが同梱されているらしい.D-snapを買った人の多くは,とりあえずMOOCSにアクセスしてみて,例の「無料ダウンロード」のコーナーで試しに楽曲を落としてみるのだと思うのだが,その際は是非ともウチの音(鈴木サヤカ「ふわふわ」・神田優花「RACHEL」)を落としてもらいたい. D-snap,売れて欲しいところですね.できればiPodぐらい普及して欲しい.


2/9(金)

神田優花,新曲「JILL」の上がり(マスタリング)をチェックしてました. 神田優花は次の曲の制作に既に入っています.

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影山リサ,今週のリハーサル風景を上げてます.新曲「Neverland」の練習をやってました.

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2/8(木)

神田優花の新曲「JILL」,マスタリングがやっと今日終わりました.もう回数も覚えてないぐらい差し戻しを食らったので,ほとんど丸一週間かけた事になります. 下に試聴用のMP3置いているので,一部ですが良かったら聴いて下さい. この曲,公開(リリース)の予定は今のところ無し,神田優花の次のアルバムには収録されると思います.

JILL」(0:45/MP3)


2/7(水)

本日より「MOOCS」にて,鈴木サヤカ「ふわふわ」の無料ダウンロードが開始されています(詳細はInfo参照). この「ふわふわ」は,2005年の4月に音楽ダウンロードサービス「Music Deli」にてリリースした作品で,全国のファミリーマート・スリーエフ・JOMO等で限定販売された楽曲です.「ふわふわ」は現在「ドレミ」・「chiptune special selections」の両アルバムに収録されている,鈴木サヤカのレパートリーの中ではいわばシングルみたいな扱いの曲です. まだ聴いたことの無い人はこの機会に是非聴いてみて下さい.気に入ってもらえたら他の鈴木サヤカの楽曲も是非チェックしてみて下さい.

その無料ダウンロードについてである. 実のところ私はこの「無料ダウンロード」,下手に雑誌媒体などに有料出稿したりするよりプロモーション効果が高いのではないかと踏んでいる.特にうちの場合,商品が「音」だからである(まあこういう事はやってみなければ分からないものだが). 今回とりあえずニフティさんにお願いする事になったが,現在別の配信サイトでも色々とこの手の「無料配信」等の企画を検討してはいます.どうなるかまだよく分かりませんけど,細かい事が決まったらまたこのページでもお知らせしようと思ってます.


2/5(月)

先週末からほとんど休み無しで編集作業中. 今やっと一段落ついたので,このテキスト打ってます.

先週のスタジオで撮ったカット(私が撮ったわけじゃないが).写真は佳乃.

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2/4(日)

神田優花,新曲「JILL」の歌入れやってました. レコーディングが終わるや否や次の新曲の制作に入ってまして,早ければ今月中にも歌を録る予定です. 神田優花は14日から「RACHEL」の無料ダウンロードも始まります(Info参照).是非チェックしてみて下さい.

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2/3(土)

今週のスタジオでのカットをUP.写真は影山リサ.

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2/2(金)

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今週のリハーサル風景を一部UP.写真は上が片飛鳥,下が広瀬沙希.

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iTMSにiMixというものがあるらしい.私も最近知ったものであんまり詳しくは無いのだが,要はパッケージでいうところの「コンピレーション・アルバム」のダウンロードコンテンツ版ってところでしょうか(自分で選曲して作ったテープとかに近いかも).各ユーザーがDJみたいな感覚で割と手軽にプレイリストをUP出来るみたいで,企画ごとに色々な楽曲が束にされてます(あんまり上手い説明じゃないのですが,実際にiTMSでiMixとやらを見てみたら多分理解できます). iTMS(US)でも,鈴木サヤカの楽曲がいくつかのiMixで取り上げられているみたいでした.どんな形であれ,音楽に関心が持たれることは良いことだ .


2/1(木)

気が付いたら何だか更新間隔が空いてしまっていた.もう二月ですね. 別にいつもと変わらず音作りやってたんですが,ちょっとここ最近急ぎで録ってるものが多くて,このページが後回しになってました.

神田優花は「マインドスケープ」発表後,次の曲で11 曲目の新作になります.考えてみると,もう既に次のアルバム作れるぐらい曲数は溜まっているのですが,次のアルバムはもっと多くの曲の中から厳選したものにするつもりです.トラック数も少なくとも前作よりは多くしたいと思ってまして,大体12〜14ぐらいを予定してます.


1/29(月)

昨日の日曜も来客があって休めませんでした. 仕事柄,仕方が無いといえば仕方ないのだが,よくよく考えてみると私は学生の頃以来,日曜日を定期的に休める日常を送ったことが無いような気がする.


1/27(土)

神田優花,新曲「JILL」の最終チェック.来週歌録りに入ります. 神田優花は既に次の新曲も上がっているので,この曲取り終えたらすぐ次の曲に入ります.

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影山リサ. ここ最近は「Neverland」という曲の練習を繰り返しているのですが,この曲は英詞部分が多くて,今週のスタジオでは発音のチェックをしていたようです.

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1/26(金)

今週のリハーサル風景をUP. 来客を控えていて時間が無いので,特にコメントは無し.

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1/25(木)

前回,模倣についてこのページで触れた.その後,また思うところあったので書き付けておく.

文明は模倣によって成り立っていった.これは事実だと思う. 私は日本という国の歴史やその民族をそれなりに誇りに思っているが,日本人自らが生み出したものってどれだけあるだろう.自動車・製鉄・稲作・法体系・民主主義・仏教・その他,元は模倣であったものが骨肉化したケースが多い.無論それが悪いわけではない. 古くはヨーロッパの文明も中華文明も,基本的には模倣を繰り返す事によって爛熟した.技術史を紐解いていけば自明の事である. 模倣(情報の共有)なくしてそれらの文明は存在しえなかった.

特許や著作権という思想がある. 「発明」はそれ自体が物ではないので,他人と共有出来てしまう.音楽も然り,誰かが作った曲は私にでも口ずさめる. 現代では「人の作った曲を使うなら対価を支払え」と言われたりするが,それはもはや完全に既得権と化している. 発明や音楽を許可(対価の支払い)無く模倣してはいけない,あるいは特殊なケースを除いては,音楽CDや各種のソフトウェアの複製品を使用してはならない,という事は当たり前の事になり過ぎていて,もう疑問を挟む人も少ないのだが,本当にそれらは絶対悪なのだろうか.

盗作・盗用などという用語を使うからあたかも何かを盗んでいるかのようだが,例えば音楽CDを複製したところで,元のCDやマスター音源にはカスリ傷一つ付かない.物質的な何かを奪っているわけではないからである. 例えば私がある風景を写生していたら,写生対象となっている地所の登記上の所有者から「写生料を払え」と言われたらどう思うだろう.「私は何も取っていないし,絵具や画用紙は自分のものだ」と言いたくもなる.この場合の画材は上記の例で言うところのCD-Rやハードディスクに相当する.

「このコメは私が額に汗して生産・収穫したものだから,欲しければ金を払え」,当然の主張である.コメを人に与えればその分自分の手元からは無くなるのである. 「稲作というコメの製法を編み出したのは私だ,勝手に模倣する事は許さない」「模倣したければ稲作農家は,今後考案者の私に一定額のアイディア使用料を払え」,これが特許・著作権思想の正体である. 二千年前にこの主張が通れば,日本など見渡す限りの荒野だったかもしれない.

私にはよく分からないが,発案者に金銭が還元されない仕組みの中からでは,なかなか偉大な発明は生まれてこないのかもしれない.確かにそんな気がしないでもない. しかし現に「金にならない」という理由で人材が集まってこない分野など幾らでもあるが,制度を作ってまでその特定の分野を優遇する必要があるかと問われれば,一概には何とも言えない. 因みに私自身は,僅かにではあるがその著作権思想の恩恵にあやかっている側の人間である.今回あえてこのように問題提起してみたのだが,皆さんはどう思うのでしょうか.


1/23(火)

模倣について. 何かを真似る事はいけない事であるかのような風潮がある.例えば盗作騒動みたいな事件が起こる度にその辺の誤解が深まっているような気がするが,事はそんなに単純ではない,というのが今回の主旨である.

表現者,例えば作曲家などで「自分の作品は100%独自のもので,何にも影響されていない」と言い張る人がいるなら,それは単なる不勉強に過ぎない.作曲の技法は人類が数千年かけて構築してきたものである.

ゴッホは,ミレーの絵画や日本の浮世絵に甚く痺れたらしく,その模写が現存している.彼は自分の手でその絵を描いてみたかったのである. プロのミュージシャンになるような人も,当然取っ掛かりとしては,子供の頃などに憧れたミュージシャンがいた筈だ.ギター弾きなら好きなバンドの曲などをコピーしまくった筈だし,歌うたいなら好きな歌手の物真似ぐらい当然してみたくなった筈である. ベートーベンはモーツァルトの曲を模倣しているし,この手の例は枚挙に暇がない. 何かに痺れたというその感動を,どれだけ大きな衝動として心で受け止めたか,それがそのままその人の表現に対する情熱に変わる.「何かに痺れる」という段階を経ずして表現者など成立するだろうか.「模倣したくならない人」などむしろ表現者に向かないと言って良いかもしれない.

模倣を繰り返す作業から新たな技法が生まれ,それがやがて体系となってきた. 現代社会はどうやら模倣・複製を「悪」だとする傾向にあるようだが,文明の大きな足枷になりはしないか心配である.


1/22(月)

現在神田優花は,新曲「JILL」のリハーサルを重ねてます. 今回の新曲,早ければ今月中にも歌録りを終える予定だったのですが,今のペースではちょっと無理っぽいです.来月の中旬ぐらいにでも上がればいいのですが. 下は神田優花の先週のスタジオでのカット.

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1/21(日)

人はそれぞれ「モニター」を持っていますですね.言わば世界観とでも言いましょうか. アタマの中にモニターがあって,それがこの世界を捕捉している.この世界における諸現象は単一のものでは無く,それを映し出すモニターの数だけ存在する.モニターは各人固有のものなのである.

人はそれぞれのモニターで異なる世界を受像していて,それが浮世における一種の享楽の源となっているのだが,いくら興味深くても他人のモニターを直接拝借する事は物理的に不可能である. だからこそ芸術がある. 芸術家の売り物は作品だが,実のところ本当に大切なもの,言わば商売道具はそのモニターである.芸術家の財産はそのモニターの画素数やカラーバランスなのである.モニターさえあれば作品は出来る筈だ.

だからして,誰でも持っているような似たり寄ったりのモニターでは,中々売り物になるような像が結べない.他人から「自分のモニターの方が映りが良い」などと思われてしまう. またある時を境に,世間で持て囃されていた流行のモニターが型落ちになってしまったり,あるいは経年とともに画質が劣化したり,また単に故障したりもする. モニターは儚いのである.


1/20(土)

少し前にこのページで,音楽配信サイトにおける無料ダウンロードについて語ったことがあったのだが,この度ニフティさんが運営している「MOOCS」にて,とりあえずその無料ダウンロードというヤツを期間限定でやってみることになりました.日程その他の詳細が決まり次第,このページでもお知らせします.

以下,今週のリハーサル風景.写真は影山リサ.

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1/19(金)

昨年末に締切ったオーディション,一次選考の結果通知を昨日付で発送しています.審査通過者のみに送っているとのことなので,ご了承下さい.

今週のスタジオ風景をUP(写真は片飛鳥).

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1/18(木)

歌をやる人なら,コンサートとかに行って他人の歌を聴いた方がよろしいかと思います. 結局のところ「どれだけ誰かの音楽に感動したか」というのが,そのままその人の音楽に対する情熱に変わるし,延いては持続力となる.まあ改めて私が言うほども無い,自明のことですね.

斯く言う私はコンサートにほとんど行かない(付き合いで顔を出すような「知り合いのライブ」とかいうのは別です).大人になって行かなくなったのではなく,子供の頃から通算しても本当に数えるほどしか行った記憶が無い.しかも僅かに観たそれらのコンサートは,どれをとっても私の幼心に感動を与えたとは言い難い.はっきり言ってあんまり好きでないのである. 言うまでも無く私は音楽好きな少年だったので,子供の頃はCDなどを買い漁っていたが「ライブアルバム」だけは好きになれなかった.「完成された作品」が好きだからである.

私は音楽だけでなく,絵画や書物にも多少関心がある.特に本を読むことは好きなのだが,文学作品や専門書,あるいはエッセイなどと比べても,対談録や講演録という奴があまり好きでない(結構読むが).同じ価格帯で売るなとすら思う.早い話これらを「ライブ盤」だと見做しているから. 余程その「作者(演者)本人」が好きならいざ知らず,基本的に「作品」を味わいたい私にとって,ワンランク完成度の低いものを聴かされるのは複雑な気分である(事実その本人が好きで堪らない人も存在するから商売になるのだろうが). 無論ライブ盤も講演録も修正・加筆を加えているに違いないが,結局作者側に言い訳の余地を残している感じもあまり好きではない. まあビートルズなどのライブ記録に資料的価値があって,リスナーからの需要もあるというのは理解できるが,大半は商業主義が生んだ安直な産物という印象である.乱造されているベスト盤なども然り(別にそういう商いが悪いと言ってる訳じゃなくて,あくまで私個人の購買意欲がそそられない,という話です).

今の仕事においても音源作りは楽しいが,ライブの企画などはあまり好きじゃない. これは偶々だが,うちの事務所の「ライブをあまりやらない」という方針と合致していて,私としては助かっている. 今後もこの方針に大きな変化はないと思われるので,うちがイベントやる時は,滅多に無い事だと思って大目に見てやって下さい.


1/16(火)

最近,猛烈なペースで曲を作っている.ここ一週間ぐらいこのページの更新頻度が落ちているのだが,理由はそのせいである. 新しい企画を一つ任された(ライターとして)もので.

私はライター(作家)でもあるのだが,会社における機能としては「営業・事務作業要員」という側面が濃厚である.だからうちで活動しているアーティストや他所さんに提供する楽曲を,一部担当することも当然あるにはあるが,はっきり言ってそれらは限定的なものである(うちが制作上関わっている音というのは,このHPのDiscographyに載っているようなものばかりではない). もっと色々な企画に作家として関わりたいのは山々なのだが,うちも業者である以上,あんまり一人の脳みそから生まれたようなワンパターンなものばかり売り物にする訳にも行かないみたいである(私自身はそれなりのバリエーションをつけているつもりではあるが).


1/13(土)

神田優花,新曲のリハでした. 上手く行けば今月中くらいには歌録りも終えたいところです.

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影山リサ,初めてのオリジナル曲「Neverland」の制作に入ってます. 因みに今回私が曲を書いてます.正確には「新たに書いた」のでは無く,10年以上前に書いていた曲に大幅な修正を加えたものです. どういう形で公開されるとか,そういう事は現時点で全く決まってないのですが,発表された日には是非聴いてみて下さい.

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1/12(金)

ちょっと久しぶりの更新. しばらくサボってたんで報告したい事がいくつか溜まってるのですが,今日は今日で時間が無いのでそれはまた後日という事で. とりあえず以下,今週のリハーサル風景をUP.

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1/9(火)

巷では今日から始業ってところも多いみたいですね.うちは全然違いますけど. 先月末締切ったオーディションについては現在選考作業中との事で,通知(選考通過の)は今月中に発送できると思われます.今しばらくお待ち下さい.


1/7(日)

先日のNHKの紅白歌合戦で,とあるアーティストの出演中,女性バックダンサーが裸に見える衣装を着用したらしく,NHKには視聴者からの苦情が殺到したそうである. この件についてはまだ最近の話題だし,続報も割りと出ているので詳しくは調べられたし(私自身はその番組をリアルタイムで見ていない). 暇なのでこの騒動について思いつくままに書き付けてみる.

一昨日,このページで「世上一番の娯楽は人間の挙措を眺める事」だと述べたのだが,芸能界とは,要はそういった娯楽となりうる「特殊な人間の市場」である.だから皆さん常に注視していたりするのだろうし,新人(新たな異常人)の出現を待ち侘びているのに違いない.ついこの間までの年末〜正月三箇日ぐらいまでは,その市場における一番の繁忙期である.テレビなどでもバラエティ番組に多くの芸能人達がブッキングされ,随分賑わっていたと思われる(私は基本的にテレビをあまり見ないので,この辺りは子供の頃の記憶を頼りに述べている). 「歌手」も当然歌という分野における特殊人である.いわゆる「紅白」は近年よく視聴率の低下が取り沙汰されてはいるが,それでもなお視聴率40%もあったりするオバケ番組である.現状,民放も含む他の歌番組にこれほどまで国民的関心が集まる事など無い.歌手にとっては依然,自身の存在を国民にアピールする為の「最高のステージ」なのである.

歌の世界は無論のこと,スポーツや政治・学問その他の世界においても注目の新人というのは存在する.紅白初出場者などというのは少なからずそれな訳だが,通常それら注目の新人達は,銘々が属するその分野における秀でた一芸を披露することによって,その衆人環視に応えるわけだ. 当然,自分の芸に絶対的な自信がある人にとってその衆人環視は程好い緊張感となるだろうし,自身をアピールする為にはこの上無いステージとなりうる筈だが,逆に披露すべき一芸の無い人間が,そのようなステージだけを与えられても困惑してしまうだろう.尋常一様の振る舞いではブラウン管の向こうの「お茶の間」にインパクトを与えられないだろうから(下手すりゃブーイングを浴びる羽目になるかもしれない).

人が振り返るほどの美人にとっては,単なる人込みでさえ一種のステージなのだろうが,そうでない人が衆目を集めようと思った場合,どうすれば良いか.一番手っ取り早い方法は「裸になる」事である.それも多くの人の前で. 今回の事件とは,それを紅白という舞台でやってしまった人がいたというだけの話である. もしアーティスト本人や周りのスタッフらが自らの行動原理について深く内省することがあったならば,彼らは上の行為を思い留まったかもしれない.だから私は常々「自分の気持ちを説明のつくものにする事」が大切だと思うわけだ. どのみちさして悪気があっての行動でも無く,いわば苦肉の策だったのだろう.あまり責めるのも酷な気がする.

別に非難されているそのアーティストやNHKを弁護したいわけでは無いので,テレビの前で不快感を覚えた方は遠慮なく抗議されたらよろしい.公共放送には相応の社会的責任もあるでしょうから. それにしても紅白という舞台を選んだのもマズかったのでしょうな.アングラな芝居小屋とか民放の深夜番組なんかで同じ事をやっても,おそらくクレームなどほとんど上がってこなかったろうに.


1/5(金)

結局のところ,世上一番の娯楽は人間の挙措を眺める事のようである.創作物や表現というのは,だからこそ存在するのだろう. 従って,人肌の温もりみたいなものを感じられない表現に,人は魅力を見出せなかったりする. 表現や創作物に「人肌の温もり」を吹き込む方法があるとすれば,やはりそれは,その芸に対する情熱やそれ相応の時間を注ぎ込む事しか無いのではなかろうか. 例えば人がある歌手の歌を聴く時,仮にそれが5分の曲だったとしても,その5分間にはその歌手の「心」や「人生」が詰まっていたりする.オーディエンスは5分の音響では無く,凝縮された歴史を愉しんでいるような気がするのである.無論,長いこと歌に携わっていさえすれば良いというものでも無いが. 我々のようなスタッフや,きっとお客さんにとっても,「魅力的な人を見る」というのは至高の喜びに違いない.


1/4(木)

美人と不美人について. 「美人とブスではどちらが性格が良いか」という設問に対し,わりと多くの人が持論を持っていたりする.「美人はそれを鼻にかけていて高慢である」とか「ブスは性格が屈折している」など. 私が上の設問に答えるなら「人による」としか言いようが無い.

美人である事やそうでない事が直接何かの問題を引き起こすというのではなく,その「容姿」や「容姿が人生に及ぼす効果」を各人がどのように解釈したか,が人格に与える影響は少なくないと私は考える. 自分を過剰なほどに「ブス」であると思い込み,それが一種のトラウマにまで発展している人は,「美」という単なる処世のための一利器に過ぎないものを過大に評価し過ぎているわけで,そんな人が「美」を手に入れてしまった日には,正直碌な人にならないような気がする. 「美」においてだけの話では無く,例えば貧乏な家庭に育った人が「自分の人生における不遇の全ては金が無いことに起因している」などと考え出しているようなものである.

うちは一応芸能事務所でもあるので,人の容姿には無論関心がある. 容姿のみがタレントバリューを決するわけでは無いが,「容姿など全く無関係」と言い切ってしまえば嘘になる.商品である以上,見目麗しければそれに越した事は無い. しかし「美人」は間違いなく美人だが,それ以上の何ものでもない.我々も我々以外の世間も,概ねそれ相応程度にしか評価はしないのである. 「美」は,人生における全ての艱難を解決してくれる魔法のツールだと思い込んでいるならそれは錯覚だし,現実にモテない美人なんていくらでもいる.

美に明確な基準など存在しないが,一般的な評価,というものは厳然としてある.当然ながら,普通の人間であれば自分の容姿を意識せずに生きて行けるわけはないし,常識的な範囲で意識する事は最低限のマナーですらある. 私の言いたいのは容姿など意識せずに生きて行こう,などという事ではなく,重大に捉えすぎるのも精神に毒だ,ということである.


1/3(水)

自分の気持ちを説明のつくものにしよう,という話(迂遠な言い回しだが,他に言いようが無い). 独りよがりな文章なので,暇で無い人は読み飛ばした方がいいかもしれません.

言語は他人との架け橋に相違ないが,「自分」というのもある種の他人で,人は言語によって自分という他人とも会話している. 残念なことに,自分という人間を嘘によって納得させている人は多い. 子供がオモチャを欲しがって,ショーウィンドウの前で駄々をこねているのなら,叱るより先にその「欲しい気持ち」を説明させてはどうか. その子が,正直な気持ちを原稿用紙数枚程度にでも書き綴る事が出来るようになるのなら,オモチャの一つや二つ,安い買い物に思えてならない. もしかしたらそれを書き連ねる過程で,その子はそのオモチャが欲しくなくなるかもしれない.

それと同時に,オモチャを買い与えない親は,どこかで聞きかじったような嘘の理屈で子供を丸め込んではならないと思う. 「欲しいものを簡単に与えては本人の為にならない」とか「テレビゲームなんて買い与えたら,最近の子供はそればかりやって外で遊ばなくなる」などという嘘で子供や自分自身を丸め込んではならない. 「オモチャ代,¥○○が惜しい」とか「その金を残しておけば,○○に使える」といったような本当の理由を認識した方がいい.

私は,自分の目の前に現れる歌手志望者に「貴方は本当にそのオモチャが欲しいのですか?」と問いたくなる時がある. 説教がしたいのでは無く,結局のところ,人は正直な方が苦しまずに済むと思うのである. 自分が本当に欲しいもの・やりたい事は何なのか,自分が何を考えているのか,そういう事が分かれば視界がクリアになってくるかもしれません.少なくとも私はそうだった.


1/2(火)

何度かこのページでも触れたのですが,去年の年末あたりから新しい企画に着手してまして,新曲を既にかれこれ十数曲作っています(実際にどれだけ商品化されるかは分からないが). この休みのうちにも更に何曲か作ろうと考えてまして,今回の正月,当初思っていたほど暇でなくなりつつあります. そう言えば今日は火曜だが,休みが続くと曜日の感覚が無くなりますね(元から希薄だが).


1/1(月)

とりあえず新年明けましておめでとうございます. まとまった時間があるので,ここぞとばかりに音を作ってます.まあ普段から音作りは仕事の一部ではあるのですが,事務仕事や接客が無いだけでも精神を集中させやすいのです. ついでながら,うちは4日から営業だそうです.


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